脱北者
「私たちはたった2000元で売られた」「友達は韓国ドラマ流布して処刑された」 国連総会で証言する脱北者に向かって北朝鮮大使「人間のクズ」
【TV朝鮮】(アンカー)
国連総会で北朝鮮の人権侵害に焦点を当てたハイレベル会合が初めて開かれました。脱北者たちが自ら出席して実情を詳しく説明しましたが、「韓国ドラマを流布して処刑された」という証言もありました。北朝鮮の代表は過激な表現で強く非難しました。チェ・ユンジョン記者がお伝えします。
【写真】国連総会で凄惨な体験を証言する脱北者たち
(記者リポート)
母親・姉と一緒に脱北したキム・ウンジュさん。父親は餓死し、食べ物を探しに出かけた母親のことを、何も食べられずに1週間、一人で待っていたことを語りました。
(キム・ウンジュさん /脱北者)
「当時、私はわずか11歳でした。食べ物もなく(待ち続け)、六日間たった時、遺書を書きました」
命がけで中国に脱出しましたが、待っていたのは人身売買という現実でした。
(キム・ウンジュさん /脱北者)
「(姉は)拉致され、性的虐待を受けた後、道端に捨てられました。私たちはたった2000元(約4万円)で売られました」
2年前に長さ10メートルの木船に乗って脱北したカン・ギュリさんも北朝鮮の人権侵害の実態を伝えました。
祖母が民間信仰をしていたという理由で家族全員が追放され、当局の抑圧は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による規制でさらに露骨になりました。
(カン・ギュリさん /脱北者)
「友達3人が処刑されましたが、そのうち2人の処刑理由は『韓国ドラマを流布したため』というものでした。うち1人はたった19歳でした」
現地時間20日の国連総会では初めて、北朝鮮人権ハイレベル会合が開催されました。
北朝鮮の代表は脱北者を「人間のクズ」と呼び、こうした会合が開かれたことについては「衝撃的だ」と反発しました。
(北朝鮮の金星〈キム・ソン〉国連大使)
「自分の親や家族のことも気遣わない人間のクズを証人として招待したことは、いっそう嘆かわしいことです」
今回の会合では、各国の代表や人権団体などの発言が3時間以上続きましたが、北朝鮮を擁護したのはロシアと中国だけでした。TV朝鮮、チェ・ユンジョンがお伝えしました。
(2025年5月21日放送 TV朝鮮『ニュース9』より)