▲李在明(イ・ジェミョン)大統領は4日、ソウル市竜山区の韓国軍合同参謀本部戦闘統制室で金明秀(キム・ミョンス)合同参謀本部議長(右)ら幹部から軍の防衛態勢について報告を受けた。/韓国国防部

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は4日午前6時21分、中央選挙管理委員会での当選確定議決と同時に第21代大統領に正式に就任した。李在明大統領は同日8時7分ごろ、仁川市桂陽区の自宅で金明秀(キム・ミョンス)韓国軍合同参謀本部議長から韓国軍統帥権委譲の報告を受けた。李在明大統領は北朝鮮の動向や韓国軍の防衛態勢などについて報告を受け「韓米連合防衛態勢を根幹とし、北朝鮮の動向をしっかりと把握して隙のない防衛態勢を維持してほしい」と述べた。

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 特に12月3日の非常戒厳令宣布当時の韓国軍の対応を称賛した。李在明大統領は「非常戒厳令事態当時、韓国軍将兵が国民と国家に対する忠誠心から不当な命令に消極的に対応し、大きな混乱が起こらなかったことは本当に良かった」とした上で「将兵たちが不安を抱くことなく国防にしっかりと専念できるよう、また安全保障について国民が心配しないよう最善を尽くしてほしい」と述べた。

 李在明大統領は午前9時30分ごろ、妻の金恵京(キム・ヘギョン)夫人と共に住民や支持者の声援を受けながら仁川市内の自宅を後にした。李在明大統領は支持者たちが持ってきた自らの自叙伝にサインし、また一人一人と握手しながら写真撮影にも応じた。

 李在明大統領は大統領専用車に初めて乗り込み、10時ごろ国立ソウル顕忠院に到着した。李在明大統領は顕忠塔に参拝し、芳名録に「共に生きる世界、国民が幸せな国、国民が主人公の韓国、国民と共に必ずつくります」と記載した。李在明大統領が普段から強調してきた「国民主権時代」に向けた抱負と解釈されている。

 李在明大統領は就任宣誓を行うため国会に向かった。就任準備期間のあったかつての大統領たちとは違い、当選と同時に就任したため就任演説も略式で行われた。

 李在明大統領は就任宣誓を終えた後に国会本庁のローテンダーホールを後にし、国民の力の金竜泰(キム・ヨンテ)非常対策委員長、改革新党のチョン・ハラム院内代表らとあいさつした。また国民の力の権性東(クォン・ソンドン)院内代表とも笑顔で握手しながら言葉を交わした。その後国会の清掃員や警備員らを激励した。李在明大統領が断食した時に支援した清掃員や、12月3日の非常戒厳令宣布時に兵士の侵入を阻止した警備員らに感謝の思いを伝えるためだという。

 その後、李在明大統領は禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長や野党代表らと共に国会内で昼食会に参加した。メニューは統合を願う意味からビビンパだった。李在明大統領は国民の力の金竜泰・非常対策委員長と改革新党のチョン・ハラム院内代表に「私の方から出向いてたびたびお会いしたい」「何度も連絡するので時間を取ってくださり、議題とは関係なく何回でも対話できたらよいと思う」と声を掛けた。金竜泰委員長は当選を祝った上で、共に民主党が国会での採決を予告している法案について苦言を呈し「国民統合というのは陣営間の深い溝を埋めるため、双方が懸念することを権力者自らやらないことが重要ではないか」という趣旨の内容を語った。

 李在明大統領は午後2時ごろ、竜山大統領府で大統領としての最初の会見に臨み、国務総理(首相)候補者など主要な人事を発表した。李在明大統領は会見開始と同時に「今は竜山オフィスに来ているが、ここは墓のようだ」「誰もいない。筆記用具も提供されないし、パソコンもないし、プリンターもない。荒唐無稽だ」と述べた。

 質問を受けた際にも大統領府の現状について「何か哨戒作戦中の戦闘地域のようで、何もないので全てを完全に最初からやらねばならない状況だ」「決済システムもない。手書きで母印を押すしかないが、朱肉もない」と指摘した。これは尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の大統領府が大統領記録室関連の規定に従い全ての関連資料を返納したためだという。パソコンなどがないことについて大統領府関係者は「移管する資料は全て移管し、業務を終わらせる次元から関連機関にパソコンを返納した」と説明した。一連の説明を聞いた李在明大統領は、前政権で大統領府に出向し、その後本来の職務に復帰した政府職員全員に復帰を命じたため、そのほとんどが5日までに復帰する予定だという。姜由楨(カン・ユジョン)報道官が説明した。

 李在明大統領はその後午後2時30分ごろに大統領府横の韓国国防部(省に相当)・合同参謀本部庁舎に行き、指揮統制室を訪れた。李在明大統領は作戦防衛態勢について報告を受け、遠隔で指揮官ら1人ずつの紹介を受けた。紹介を終えた際、参加者に防諜(ぼうちょう)司令部がいなかったため「防諜司令部は来ていないのか」と質問したという。これについて韓国軍の担当者は「防諜司令部は作戦部隊ではなく国直部隊(国防部直轄部隊)のため、全軍主要指揮官会議の出席者でもない」という趣旨の説明を行った。戒厳令に関係した防諜司令部の改革を念頭にこのように言及したとみられる。

 業務を終えた李在明大統領は仁川市内の自宅ではなく、大統領府が準備した宿所に移った。

チュ・ヒヨン記者

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