▲イラスト=UTOIMAGE

 熱狂的なサッカーファンの脳内の反応が、政治的な過激主義者や宗教の狂信者にみられる脳の反応パターンと似ているという研究結果が示された。

 これは、チリ・サンティアゴのアレマナ・クリニックとサン・セバスティアン大学の共同研究チームが11日(現地時間)、国際学術誌「放射線学」に発表した論文で明らかにしたものだ。

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 研究チームは、20-45歳の男性サッカーファン60人を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で撮影し、試合を見ているときの脳の反応を分析。実験の参加者たちは自分が応援するチーム、ライバルチーム、どちらでもないチームが出ている試合での計63回のゴールシーンを視聴した。それぞれのシーンは、チームの得点(勝利)または失点(敗戦)の瞬間となるようにした。

 分析の結果、自分が応援しているチームがライバルを相手にゴールを決めたときは、快感に関連する報酬回路が強く反応した。反対に、ライバルチームを相手に失点したときは、自制心に関わる脳の領域の活動が低下する傾向を示した。

 研究チームは「ライバルチームとの試合の勝敗は、わずか数秒で脳の感情バランスに影響する」として「勝てば快感に関する回路が活発になり、負ければ行動を抑制する回路が弱くなる様子が見られた」と説明した。また、チームへの愛着が強く、より深くのめり込んでいるほど、負けた際に「自制力の回路」の活動がより大きく低下した。

 ただし研究チームは、これを攻撃的な行動の直接的な原因とみなすには慎重であるべきだと指摘した。研究チームは「今回の研究で確認されたサッカーファンの脳の『報酬と抑制のアンバランス』と類似の反応が、政治的過激主義者や宗教的狂信者の脳でもみられる可能性がある」として「この研究結果は、群衆の行動管理や暴力防止の戦略策定に役立つかもしれない」と説明した。

クァク・スグン記者

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