▲16日に行われた韓日強化試合第2戦で、6-7とリードされていた9回裏二死から劇的な同点ソロホームランを放ち、ベースを回る金周元(キム・ジュウォン)=NCダイノス=。写真=news 1

 来年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて準備をしている野球の韓国代表チームが、東京ドームで行われた日本との強化試合2連戦を1敗1分で終えた。15日の第1戦は4-11と完敗し、16日の第2戦では9回裏2アウトから出た金周元(キム・ジュウォン)=NCダイノス=の劇的なソロホームランにより7-7の引き分けで終わった。2017年以降の日本との対戦成績は11戦で10敗1分と、日本を「ライバル」と呼ぶのが恥ずかしいほどだ。

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 決して及第点を与えられるような試合内容ではなかった。韓国は2試合とも試合序盤に打線の助けで3-0とリードしたのにもかかわらず、継投の投手たちが相次いで動揺し、逆転を許してしまった。問題は投手たちのコントロール不足だった。第1戦では11四死球、第2戦では12四球を許してしまった。しかも、第2戦7失点のうち4点は押し出しだった。

 第2戦で先発したプロ1年目の鄭宇宙(チョン・ウジュ)=ハンファ・イーグルス=は3イニングで4奪三振・無失点と日本打線を封じ込めた。2回には四球、二塁送球エラー、犠牲バントで一死二・三塁のピンチに追い込まれたが、佐々木泰の打球をセカンドライナーに、石上泰輝を空振り三振に仕留め、ピンチを乗り切った。東京ドーム初登板であり、韓日戦というプレッシャーも考えれば「満点のデビュー戦」だった。

 マウンドで鄭宇宙が踏ん張っている間、打線は3回裏の攻撃で3点を先制した。一死満塁で宋成文(ソン・ソンムン)=キウム・ヒーローズ=が2点タイムリーを放ち、続く一死一・三塁でダブルスチールにより1点を加え、3-0のリードをつかんだ。

 ところが、鄭宇宙に続いて4回から登板した呉原錫(オ・ウォンソク)=KTウィズ=と趙丙炫(チョ・ビョンヒョン)=SSGランダース=が4四球と2安打を与えて3点を奪われ、3-3の同点となった。韓国は4回裏に1点を追加したが、5回満塁のピンチで押し出しとなる四球と2点タイムリーを浴び、4-6と逆転を許した。8回表にはペ・チャンスン=サムスン・ライオンズ=が再び押し出しとなる死球を与えて7点目を許した。

 敗色が濃くなった9回裏、救世主となったのは金周元だった。6-7とリードされていた9回裏、2アウトで打席に立った金周元は、日本の抑え投手・大勢の真ん中に入ってきた失投を逃さずに打ち返し、センターフェンスを越える同点ソロ本塁打にした。延長はなく、試合は7-7で終わった。

 韓国野球委員会(KBO)リーグは昨年からすべての球場で自動投球判定システム(ABS)を導入している。だが、WBCではABSではなく審判が肉眼でストライクとボールを判定するため、今回の強化試合でも同様だった。ABSに慣れている韓国代表チームの投手たちは、KBOリーグより比較的狭いストライクゾーンに適応するのに苦労したとの指摘もある。しかし、同じ環境で試合をした日本の投手にはそれほど大きな問題が見られなかったことを考えると、2試合で23四死球出したことをストライクゾーンのせいにするのは無理がある。

 日本とのレベルの差をあらためて認識することになった残念な試合だったが、「テーブルセッター(1・2番打者)」の活躍がせめてもの救いだった。1番打者を務めた二塁手の申珉宰(シン・ミンジェ)=LGツインズ=はこの二日間でチーム最多の4安打を放ち、2番打者だった右翼手の安賢民(アン・ヒョンミン)=KT=は2試合連続本塁打と長打力をアピールした。安賢民は特に、第1戦の4回表に飛距離129メートルに達する先制2ランを放ち、第2戦でも7-5でリードされていた8回裏にレフトスタンドに入るソロ本塁打を放った。安賢民のホームランが出るたび、東京ドーム内の日本のファンはしばらく言葉を失うほどだった。日本代表チームの井端弘和監督も「当たったらあれだけの飛距離(が出るのは)、怖いなと思った。あそこまで当てる選手は日本にもなかなかいない、メジャー級の選手だと思った」と感嘆した。

ヤン・スンス記者

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