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旧統一教会、「韓日海底トンネル」などの事業用に財団やNGO設立し政治家と広範囲に接触…韓国警察はロビー疑惑を本格捜査へ
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の「政界ロビー疑惑」を捜査中の警察は28日、旧統一教会の鄭元周(チョン・ウォンジュ)元総裁秘書室長と同教会の蔚山・釜山支会長に出頭を求めて事情聴取した。警察は18日に参考人として事情聴取した鄭元周・元秘書室長を28日に政治資金法違反などの被疑者に切り替えた。
【グラフィック】財団やNGOを多数設立…旧統一教会の組織図
28日に参考人として事情聴取された蔚山・釜山支会長は、国会議員総選挙前の2020年3月に旧統一教会から金品を受け取った疑惑が持たれている共に民主党の田載秀(チョン・ジェス)議員に韓鶴子(ハン・ハクチャ)同教会総裁の自叙伝を渡し、一緒に記念写真を撮影した人物だ。田載秀議員は慶尚道地域の与野党政治家らと広範囲に接触し、韓日海底トンネルなど旧統一教会の懸案について話し合ったという。
■警察、政界ロビーで「ツートラック」捜査
警察は旧統一教会ロビー疑惑に関して「ツートラック」で捜査を進行中だと言われている。まず、2018-2020年ごろ田載秀議員と林鍾聲(イム・ジョンソン)元共に民主党議員、金奎煥(キム・ギュファン)元未来統合党(国民の力の前身)議員らが数千万ウォン(数百万円)台の金品を受け取ったという疑惑だ。警察はこれについて特検で初めて供述したユン・ヨンホ元世界本部長を26日に拘置所で逮捕し、強制調査を行った。
また、警察は旧統一教会系列の非政府組織(NGO)「天主平和連合(UPF)」のソン・グァンソク元韓国会長が2019年初め、与野党の政治家十数人に100万-200万ウォンずつ違法な支援をした疑惑も政治資金法違反で立件・捜査中だ。警察はソン・グァンソク元韓国会長を24日と26日の2度にわたり召還し、事情聴取した。
警察は、公訴時効が差し迫っていた田載秀議員を19日に事情聴取したが、林鍾聲元議員、金奎煥元議員については召還日程を決められずにいる。ただし、ソン・グァンソク元韓国会長関連の政治家支援疑惑については、旧統一教会関係者に相次いで出頭を求めて事情聴取している。これについて警察内部では「田載秀議員らの容疑は立証が難しいので、ソン・グァンソク元韓国会長側の事件に集中しているのではないか」という見方がある。
■財団設立し懸案請託…政治家への支援も
旧統一教会は世界本部を頂点に各界各層にさまざまな組織を設けている。例えば、統一グループは各種リゾートや建設会社、報道機関などを保有する事業体で、これを通じて得られる収益で各種財団を設立・運営していると言われている。
旧統一教会が宿願としている事業は主に非営利財団を通じて推進されてきた。「韓日海底トンネル」建設のために設立した世界平和道路財団がその代表的な例だ。旧統一教会側はこの団体を通じて韓日海底トンネル関連セミナーなどのイベントを開き、会場に政治家を呼ぶ方式で請託してきた。特に、林鍾聲元議員は同財団の名称変更に力添えしたことが明らかになった。2017年11月20-22日のTM(True Mother、真のお母様=韓鶴子総裁)報告には「林鍾聲元議員の協力を得て世界平和トンネル財団を世界平和道路財団と英文名ワールド・ピースロード財団に名称変更し、承認を受けた」と書かれている。
このほか、孝情国際文化財団傘下の孝情文化院は、田載秀議員の本『温かい息』500冊を購入するなど、間接的に政治家を支援していた状況も明らかになった。田載秀議員の本購入は2019年11月、ユン・ヨンホ元世界本部長が孝情文化院長を務めていた時に行われたものだ。
■NGOは政治家との接触窓口として利用
旧統一教会は関連機関としてNGOを作り、政治家と交流するルートとして利用した。2005年に設立されたUPFは南北統一や平和問題に関して国内外で活動を行う団体だ。旧統一教会は同団体について、「国連経済社会理事会で『包括的協議地位』を得るなど、世界的に公信力のある団体だ」と主張している。しかし、UPFも政治家を動員して同教会の勢力を拡張する手段になった。ユン・ヨンホ元世界本部長が2022年韓国大統領選挙を前に与野党の政治家と接触を試みた「ワールド・サミット」もUPFが主管する催しだった。
旧統一教会は2016年、UPF傘下の対外交流機構「世界平和国会議員連合(IAPP)」も設立した。これには元政治家や現職の政治家たちが直接会員として参加したという。林鍾聲元議員はIAPP韓国議長を務めたことがある。IAPPは金奎煥元議員も顧問を務め、顧問料1400万ウォンが支給されており、2018年に開催した行事には旧統一教会で金品を受け取った疑惑が持たれている田載秀議員、林鍾聲元議員、金奎煥元議員が出席した。
キム・ナヨン記者、イ・ギウ記者、イ・ミンギョン記者