▲写真=UTOIMAGE

 ウクライナで捕虜となった20代の北朝鮮軍兵士の最近の様子が先日韓国で報じられた。2人は「韓国に行きたいと強く望んでいるが、送ってもらわないと行けない」「韓国に行けなければ自分は死ぬしかない」と述べた。捕虜たちは、北朝鮮がロシア派兵を正式に認めたのかを尋ねた上で「それなら北朝鮮に送り返されるのは間違いない。帰ったら3代が根絶やしにされる」と恐怖におびえた。最初はメディアに警戒感を示したこの20代の若者は、50代の女性ジャーナリストがその場を離れようとすると「行かないでほしい。母親のようだ」と涙を流した。2人に対するインタビューは昨年10月にウクライナ現地で行われたという。

【写真】ウクライナで捕虜になった北朝鮮兵2人

 北朝鮮軍兵士らは昨年1月に捕虜となり、2月に本紙のインタビューで「大韓民国に行きたい」との考えを初めて示した。北朝鮮は2025年4月にロシアへの派兵を正式に認めたため、2人は国際法上の正式な「戦争捕虜」となった。ジュネーブ条約では捕虜の意思に反する本国への送還を禁じている。北朝鮮の捕虜たちが北朝鮮への送還に恐怖を抱き韓国行きを望んでから1年が過ぎたが、今なお2人の韓国行きは実現しておらず、韓国政府は「外交面で努力を続けている」と基本的な立場を繰り返すだけだ。最近は金正恩(キム・ジョンウン)総書記がロシアに2人の韓国行き阻止を要請したとも伝えられている。2人が韓国の韓国行きが実現した場合、北朝鮮にとって不都合な影響が出るからだ。

 最近まで韓国政府は、戒厳令や弾劾など政治的な理由を口実にこの問題を放置してきたが、今やそれらの言い訳は通用しなくなった。北朝鮮の捕虜は憲法上は韓国国民であり、2人の安全を守るのは大韓民国大統領の責務だ。李在明(イ・ジェミョン)大統領は先日の会議で「大韓民国国民に危害を加えれば国内、国外関係なくただではおかないことを確実に示してほしい」と述べた。韓国行きの希望を表明した北朝鮮の捕虜も当然例外ではない。

 22歳のまだ幼さが感じられる捕虜は、韓国に住む脱北者が送った手紙への返事で「韓国の方たちの応援を受け新たな夢と抱負を持ち始めた」と伝えた。捕虜たちは慣れない戦場で死の恐怖におびえ、捕虜収容所では毎晩のように北朝鮮に送還される悪夢におびえている。国際情勢や南北関係を口実に2人の北朝鮮送還を傍観すれば、これは犯罪行為に等しい。韓国の大統領は特使の派遣を含むあらゆる手段を使ってこの問題に決着をつけねばならない。

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