▲韓国国防部(省に相当)の安圭伯(アン・ギュベク)長官(右)とパク・チョンフン国防部調査本部長/聯合ニュース

 韓国政府のタスクフォース(TF、作業部会)が中央政府の全職員を対象に「内乱加担容疑」を調べた結果、110人に対して改めて捜査を依頼したが、うち108人が韓国軍所属だった。懲戒対象となった89人についても48人が韓国軍関係者だった。韓国国防部(省に相当)は「戒厳令当時、韓国軍から1600人以上が動員された」として「120人体制で捜査を行い、将校クラスや領官(佐官)クラスなど860人以上から聴取を行った」と明らかにした。韓国軍は「内乱専門捜査本部」を中心に今後も捜査を続けるという。戒厳令から1年が過ぎたが、韓国軍による「清算」はまだ終わらないようだ。

【表】内乱タスクフォースによる処分

 不法な戒厳令に積極的に加担した人物は処罰すべきだろう。しかし戒厳令そのものは尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領や金竜顕(キム・ヨンヒョン)元国防部長官などごく少数が中心になって行われた。戒厳令の事前準備に加わったとか、違法な命令に積極的に従った将校らはすでに特別検事などの捜査を受け、裁判が今も進行中だ。国会などに突入した兵士のほとんどは当時の命令の内容も、またどこに突入するのかも知らなかった。指揮官らも普通の国民と同じく戒厳令に当惑し、解除が発表された時は安堵(あんど)したことだろう。ところが国防部は内乱特別検事が不起訴とした20人以上の指揮官クラスに対して厳しい懲戒処分を下した。

 韓国陸軍大将の地上作戦司令官も「内乱」疑惑で今後捜査が行われるという。昨年9月に李在明(イ・ジェミョン)大統領が当時現役だった四つ星将校7人を全て退役させ、新たに大将に昇格し韓国軍トップとなった人物だが、それからわずか5カ月で解任されたのだ。この人物は戒厳令当時は第1軍団長だったが兵力の移動は一切行わなかった。ところが戒厳令に加担した部下と電話で話した際、この部下に即時復帰を指示しなかったのが今になって問題とされているのだ。これが四つ星将校を「内乱」容疑で捜査する理由になるのだろうか。国防部は108人に対する捜査を依頼したが、その具体的な容疑については明確にしていない。

 軍人にとって命令への服従は生命にも等しい規律だ。有事に命令に従わない場合は処刑されることもある。その軍人たちが一晩のうちに何も知らされないまま出動命令を受けた場合、これを拒否できるだろうか。そのため容疑の内容を慎重に判断した上で責任を追及すべきだ。戒厳令の影響で韓国軍はすでに混乱に陥っている。その韓国軍を政治的な思惑で再び動揺させることはもう終わらせるべきだ。

 韓国政府タスクフォースは「行政機関として受けた指示が違憲・違法か判断できず、政府職員たちも傍観していた」と指摘した。今の政府与党がごり押しする法律歪曲(わいきょく)罪、裁判訴願法などは違憲の可能性が高い。政府の論理に従えば、今これを積極的に拒否しない政府職員は後から処罰対象になるわけだ。

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