▲(写真左から)呂寅兄・前防諜司令官、李鎮雨・前首都防衛司令官、郭種根・前特殊戦司令官/写真=ニュース1

 呂寅兄(ヨ・インヒョン)前防諜(ぼうちょう)司令官、李鎮雨(イ・ジンウ)前首都防衛司令官、高賢錫(コ・ヒョンソク)前陸軍参謀次長が罷免された。郭種根(クァク・チョングン)前特殊戦司令官は解任された。韓国軍当局は、12・3非常戒厳からおよそ1年を経て主な司令官を懲戒した。

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 国防部(省に相当)は29日、12・3非常戒厳に関連して呂寅兄・李鎮雨・郭種根中将を法令順守義務違反・誠実義務違反で、高賢錫中将を法令順守義務違反で、そして大領(大佐)1人を誠実義務違反でそれぞれ重懲戒処分にしたと発表した。

 防諜司・首防司・特戦司は非常戒厳当日、兵力を国会などへ出動させた。高中将は、当時の朴安洙(パク・アンス)戒厳司令官(陸軍参謀総長)の指示に基づいて、陸軍本部の参謀たちが乗った、いわゆる「戒厳バス」が国会の戒厳解除議決後の昨年12月4日午前3時ごろ出発することに関与したと伝えられている。

 今回の重懲戒で、呂・前司令官、李・前司令官、高・前参謀次長は罷免されたという。郭・前特殊戦司令官については、懲戒委で罷免の議決があったが、戒厳後に実体的真実の究明等に寄与した点を参酌し、解任に軽減されたものと伝えられている。

 郭・前司令官は昨年12月6日、特殊戦司令部を訪れた進歩(革新)系の「共に民主党」の金炳周(キム・ビョンジュ)議員、朴善源(パク・ソンウォン)議員と対面した。当時、郭司令官は、ユーチューブに開設された金議員の個人チャンネル「ジュブリー・ライブ」を通して生中継された対話で「金国防相が本会議場から議員たちを引っ張り出せと指示したが、違法なので従わなかった」と主張した。

 続いて昨年12月10日には民主党の朴範界(パク・ポムゲ)議員と会い、「公益通報」をすることにしたと主張した。

 重懲戒で罷免された場合、軍人年金の50%がカットされる。だが解任は、こうした不利益がないことが分かった。韓国軍の消息筋は「裁判結果によって軍人年金の減額分が変わることもあり得るが、現在の基準では郭・前司令官は相対的にあまり不利益を受けないことになった」と語った。

 国防部は、ムン・サンホ前情報司令官(陸軍少将)に対する懲戒は「まだ関連手続きが進んでいる」と明かした。

 懲戒委員会の決定が覆ったことで論争になっていた防諜司令部所属の大領については、最終的に「停職2カ月」処分が下ったと伝えられている。

 この大領を巡っては、懲戒委はいったん「懲戒事由なし」決定を下したが、「懲戒権者の再審査要請」に基づいて懲戒委が再度開かれ、重懲戒を決定した。大領が国会の非常戒厳解除議決後に「選管への出動命令」を実行し、部下が違法性を理由に引き留めたにも関わらず出発したことなどが考慮されたと伝えられている。

 これに先立ちイ・ジェシク前合同参謀本部戦備態勢検閲次長(陸軍准将)と、「戒厳バス」に乗っていたキム・スンワン前国防部調査本部長職務代理(陸軍准将)は、それぞれ罷免、降格懲戒を受けた。

 これにより、今月19日に懲戒委員会に付されていた将官7人と大領1人のうちムン前情報司令官を除く7人について、本人通知等の関連手続きを経て罷免・解任・停職などの重懲戒が発表された。

ヤン・ジホ記者

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