▲グラフィック=キム・ソンギュ

 慶尚北道盈徳郡盈徳邑の昌浦風力発電団地で2月2日、風力発電機1基が道路の方向に倒壊した。高さ数十メートルの発電機が倒壊した影響でブレードと支柱の一部が粉々に砕け散った。けが人などは出なかったが、もし現場に車が通行していれば大惨事になりかねない事故だった。

 事故をきっかけに、老朽化した再生可能エネルギー施設の安全管理問題が浮上している。実際に韓国国内の風力発電施設を管理する担当者はわずか45人で、老朽化施設を管理する規定も不十分だった。2030年に再エネ100ギガワット達成に向け積極的な施設建設は今も続いているが、それと同時に老朽化施設も急増している。しかしこれら老朽化施設の安全管理を専門に担当する人材も制度も十分に確保されていなかったのだ。

■今後も続く再エネ施設の老朽化

 事故が発生した風力発電団地は2005年に完成した。再エネ施設の寿命は通常20年前後とされており、今回も実際に使用期限前後の施設で事故が発生した。気候エネルギー環境部(省に相当)は、建設から20年以上過ぎて老朽化した風力発電施設や事故が起こった発電機と同じメーカーの80基の発電施設を対象に、今月27日までに特別安全点検を行うことにした。

 現状で対象となるのは80基ほどだが、2000年代に入って再エネ普及が本格化した現状を考慮すると、今回倒壊した風力発電機と同じ老朽化施設は今後も急増する見通しだ。韓国エネルギー公団の再エネ普及統計によると、20年前の06年時点で韓国における風力発電施設の容量は177.7メガワットだった。その時期以降、韓国の風力発電普及規模は13倍に急増した。これは、2000年代に韓国全土の山間地や海岸に設置された初期の施設が今後一気に「老朽化」することを意味する。

 しかも再エネ普及のペースは今後も加速する見通しだ。李在明(イ・ジェミョン)政権は2030年までに再エネ普及規模を今の5倍に相当する100ギガワットに引き上げる目標を掲げている。太陽光は24年の約32ギガワットから80-90ギガワットに、風力は9ギガワットを目指すという。風が強い山間の高地や海岸に大型の風力発電施設が短期間で設置される可能性が高い。

 問題は非常に早いペースで増加する風力、太陽光施設の安全管理を担当する人材があまりに足りないことだ。電気安全公社によると、現在韓国の風力発電施設の検査を行う人材はわずか45人、100ギガワット時代となれば検査担当者1人が年間40カ所以上を回らねばならない。高所での作業と精密な点検が求められる風力発電施設の特性上、形だけの点検に終わる恐れがあるとの懸念も指摘されている。

 太陽光も事情は同じだ。現状の675人で2030年の目標である80-90ワット分の施設を全て検査するには1人が年間数百カ所の発電所を回らねばならない。これでは厳密な安全点検など到底不可能だ。政府に対しては「普及に向けた予算は大盤振る舞いだが、安全確保にはけちくさい」との批判も避けられないだろう。

■撤去の基準がない再エネ施設

 制度面での問題も大きい。原子力発電所は設計上の寿命に達すれば原子力安全委員会による厳しい検査を経て運転を継続するかどうかが決まる。もちろん再エネ施設も電気安全管理法によって定期的に検査を受けている。太陽光発電施設は2-4年、風力発電施設は3年ごとに安全点検を受ける。ただし20年以上経過した老朽化施設を特別に管理する仕組みは現状では存在しない。発電事業者が収益目的で老朽化施設を無理に稼働させた場合、これを規制するのが難しいとの懸念も高まっている。

 韓国工学大学のチョ・サンミン教授は「一定期間が超過した再エネ施設に対する精密検査や運転継続に向けた評価と判断を義務づける制度が必要だ」「安全点検も電気安全公社だけで担当するのが難しい時期になれば、専門性を持つ民間業者に委託する方法なども検討してはどうか」とコメントした。

チョン・ジュンボム記者

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