▲写真=ニュース1

 全裸南道光州市内で10代の女子高生を殺害したチャン・ユンギ被告(23)が、子どものころ「警察官」を夢見ていたことが16日までに分かった。検察は補完捜査の過程で、チャン・ユンギ被告の犯行動機などを把握するためにプロファイリング調査を実施し、こうした事実を突き止めた。検察が凶悪犯罪の容疑者の犯罪心理や反社会的傾向などを把握するため、成長過程などに関する資料を収集・分析した結果、分かったことだ。

【表】捜査過程で明らかになったチャン・ユンギの性犯罪の証拠

 検察はまず、チャン・ユンギ被告の中学校・高校時代の学校生活記録簿(内申書に相当)を確保した。チャン・ユンギ被告は中高時代を通じて、生活記録簿の将来の夢の欄に「警察官」と記載していたという。検察関係者は「父親やおじなど、近い親族の中に警察官が複数人いたため、その影響を受けたようだ」と説明した。

 警察官を夢見ていたチャン・ユンギ被告は、いかにして性犯罪者を超え、殺人犯へと変貌したのか。チャン・ユンギ被告は子どものころ、比較的静かで平凡な人物だったという。幼少期から一貫して全裸南道光州市で育ったチャン・ユンギ被告は、地域内でも進学熱が高いことで知られる高校を卒業した。チャン・ユンギ被告の高校の同窓生は「父親など家族から勉強に対するプレッシャーを受けていたが、チャン・ユンギ被告自身は勉強やスポーツなどで特に頭角を現すことはなかった」とした上で「あまり目立たず、大人しい性格だった」と証言した。特にチャン・ユンギ被告は中学・高校時代、異性との交友関係が円滑ではなく、これまで特別な交際経験もなかったと言われている。前科もなかった。

 チャン・ユンギ被告は大学に進学せず、消防官採用試験の準備を行っていた。警察官を志していたチャン・ユンギ被告だったが、全裸南道地域で警察幹部(警監)として勤務しているおじから「警察官は大変だから別の仕事を探してみてはどうか」とアドバイスされ、進路を消防官に変更したという。しかし、消防官試験の勉強が思うようにいかなくなると、受験をあきらめ、焼き肉店でアルバイトを始めた。チャン・ユンギ被告の知人は「焼き肉店でアルバイトをしながら経験を積み、将来は自分の店を構えたいとよく話していた」と伝えた。

 検察は、チャン・ユンギ被告がかなり前から女性に対する歪んだ性意識を持っていた可能性がある、と判断している。検察が注目した手掛かりは、チャン・ユンギ被告のワンルームの自宅から発見された、壊れた「リアルドール(成人用人形)」だった。5月5日にチャン・ユンギ被告が検挙された当時、自宅にあった2体のリアルドールは胸部と首の部位が破損していた。このリアルドールは警察が押収しなかったため、3日後、現職の警察官であるチャン・ユンギ被告の父親が解体し、廃棄処分した。検察の関係者は「刃物でリアルドールの胸部をくり抜き、首を切断するなどの異常な行動から見て、性犯罪の可能性を視野に入れて捜査を進めた」と説明した。

 チャン・ユンギ被告に対するサイコパス検査や異常動機犯罪分析では、明確な特異事項は見つからなかった。しかし検察は、チャン・ユンギ被告の犯行前の足取りや確保した証拠などを総合的に判断した結果、女性に対する執着と歪んだ性意識があったものと見ている。検察の関係者は「明確な犯行の動機やきっかけを断定することはできないが、表面的には平穏に生活しながらも、内面には女性への執着と歪んだ性意識が根づいていたようだ」と指摘した。

 検察が補完捜査の過程で確保した複数の証拠からも、こうした状況が裏付けられている。検察が押収したチャン・ユンギ被告の車のドライブレコーダーのメモリーカードには、チャン・ユンギ被告が2024年末ごろ、「人生がダメになったら女子学生を誘拐してやる」「俺にかかわる女は哀れだな」と話す音声が記録されていた。同乗していた後輩が話した「(先輩が)普段話している通りに生きていたら、チャン・ユンギはもうとっくに性犯罪者だよ」という音声も存在した。

 その後、チャン・ユンギ被告は実際に性犯罪事件を起こした。チャン・ユンギ被告は2023年10月から2025年7月まで、光州市内の地域児童センターで社会服務要員(旧・公益勤務要員、兵役の代わりに公的機関で働く)として服務していた。ところが、招集解除まで残り1カ月を切った昨年6-7月ごろ、計7回にわたり、机の下にスマートフォンを隠し、女子中学生たちの太ももなど身体の一部を盗撮していた。これらの写真は、チャン・ユンギ被告が逮捕された際に所持していた解約済みのスマートフォンに保存されており、今回の女子高生殺害事件の捜査の過程で発覚した。

 チャン・ユンギ被告は、同じ焼き肉店でアルバイトをしていたベトナム人女性Aさんに対し、異様なまでの執着を見せた。チャン・ユンギ被告は2024年にAさんと知り合い、徐々に親しくなったが、数カ月後にはたびたび口論するようになり、関係がこじれた。Aさんがメッセージ・アプリ「カカオトーク」でチャン・ユンギ被告をブロックすると、チャン・ユンギ被告はAさんを尾行し始めた。チャン・ユンギ被告はさらに、一方的にAさんにテキストメッセージを送りつけたり、何の理由もなくAさんの銀行口座にお金を振り込んだりした。一方的に求愛したものの、Aさんが心を開かなかったため、チャン・ユンギ被告は5月3日にAさんの自宅を訪ねていって性的暴行を加え、12時間50分にわたり監禁した。5月5日未明に女子高生を殺害する、わずか2日前の出来事だった。

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