シン・ジョンア元東国大助教授(35)の学歴詐称疑惑に端を発した職権乱用、汚職事件の初公判が12日、ソウル西部地裁で開かれた。卞良均(ピョン・ヤンギュン)前大統領府政策室長(58)とシン元助教授の両被告は、同地裁の406号法廷の被告人席に並んで着席し、ともに「懺悔している」などと述べたが、起訴事実についてはそろって否認した。
公判の冒頭で、裁判長が名前を呼ぶと、両被告は順に法廷に姿を見せ、ベン..
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シン・ジョンア元東国大助教授(35)の学歴詐称疑惑に端を発した職権乱用、汚職事件の初公判が12日、ソウル西部地裁で開かれた。卞良均(ピョン・ヤンギュン)前大統領府政策室長(58)とシン元助教授の両被告は、同地裁の406号法廷の被告人席に並んで着席し、ともに「懺悔している」などと述べたが、起訴事実についてはそろって否認した。
公判の冒頭で、裁判長が名前を呼ぶと、両被告は順に法廷に姿を見せ、ベンチ状の被告人席に約30センチの距離を置いて並んで着席した。二人が公の場にそろって姿を見せたのは、事件発覚以来初めてだ。検察は先月30日の捜査結果発表で、二人の仲を「4年以上続いた密かな異性関係」と表現したが、法廷で二人は1度も視線を合わせなかった。
水色の受刑者服姿で現れた卞被告は、「何か言いたいことはないか」との裁判官の問いに対し、「社会的に大きな物議を醸し、国民に大変申し訳ない。そして、大統領をはじめ共に働いた職場の同僚に累を及ぼし、身の処し方が分からない。拘置所では毎日、反省と懺悔を繰り返している」と、かれた小さな声で答えた。被告人席にはまっすぐ座っていたが、力のない様子だった。
しかし、罪状認否では、「否認するか」との裁判長の問いに「弁護人と協議して陳述したい」とだけ短く答えた。卞被告は同日、裁判所に起訴事実を全面的に否認する意見書を提出した。
一方、黄緑色の受刑者服をまとったシン被告は、赤く上気した表情で、うつむいたまま法廷に入場し、終始顔を上げることはなかった。ひざの上で両手の指を絡ませ、絶えず親指を動かしていた。
検察が個人再生申請に絡む詐欺、横領、贈収賄などの起訴事実を読み上げると、シン被告は両手で顔を覆った後、ゆっくりと腕を下ろした。肩も少し震えていた。
シン被告は「言いたいことはあるか」との裁判長の問いに対し、マイクに体を傾けながら、「過去数カ月間、社会的に多くの心配をかけて申し訳ない。今後自分の誤った判断に対し深く反省し、懺悔しながら生きていく」などとゆっくり話した。
シン氏の弁護人を務める朴鐘鹿(パク・ジョンロク)弁護士は、「シン氏は心から深く反省しており、誠実に裁判に臨む姿勢だ。絶望の渦中にあるかわいそうな女性に石を投げるのではなく、ゆがんだ教育熱、学閥至上主義、出世欲など社会の不条理に対する改革の契機にすべきだ」と述べた。
同日の公判は二人の冒頭陳述だけが行われ、25分間で終了した。裁判所側は当初、傍聴席40席のうち10席を被告人の家族用に設けていたが、誰も現れなかった。残る傍聴席は記者20人余りと一般市民5-6人が埋めた。
被告人尋問は12月3日の次回公判に持ち越された。検察が5万ページにも及ぶ捜査記録のうち、1万ページを裁判所に提出したところ、弁護人が「検察の記録を読み込む必要がある」と主張したため延期された。
チャン・サンジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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