「“2030年代”なのか“2050年”なのか?」(韓国政府の脱石炭の時期)
「40%だったのに、なぜ急に40%以上と言っているのか?」(2030年までに目標とするCO2削減の水準)
韓国政府が、カーボンニュートラルの目標を巡り国内と海外で食い違うメッセージを発信し、論争を招いている。発端は今月4日にあった第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の「グローバルに石炭からクリーンな電力へ移..
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「“2030年代”なのか“2050年”なのか?」(韓国政府の脱石炭の時期)
「40%だったのに、なぜ急に40%以上と言っているのか?」(2030年までに目標とするCO2削減の水準)
韓国政府が、カーボンニュートラルの目標を巡り国内と海外で食い違うメッセージを発信し、論争を招いている。発端は今月4日にあった第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の「グローバルに石炭からクリーンな電力へ移行することの宣言」(Global Coal to Clean Power Transition Statement. 以下『宣言』)への署名。韓国のムン・スンウク産業通商資源相をはじめ46カ国のエネルギー・環境関連閣僚はこの宣言に、主要国は2030年代中の脱石炭達成を目標に技術と政策を推進する、という内容を盛り込んだ。
すると、当初は脱石炭の時期を2050年と定めていた韓国政府が立場を変えたのではないか、とする解釈が出てきた。韓国国内の各環境団体は「世界第4位の石炭輸入国である韓国が『2030年代』、すなわち2039年までの脱石炭を宣言した」として歓迎する声明まで出した。
ところがその直後、韓国政府が「公式な石炭火力発電廃止目標時期は『2050年』で、脱石炭の時期を前倒ししたわけではない」という釈明を出したことで摩擦が生じた。産業通商資源部(省に相当。以下同じ)は「『宣言』の主な内容は韓国の2050カーボンニュートラル目標に符合しているので賛同した」とし「当該『宣言』には脱石炭の時期に関する留保条項が含まれている」ともコメントした。脱石炭が明示された『宣言』の文言には「主要国は2030年代、他は2040年代まで」という時限の例外設定と共に「またはそれ以降、可能な限り早く」という但し書きが付いており、確定的な目標ではない-という説明だ。韓国国内で決定した「2050脱石炭」を海外に出ていって変えたわけではない、という趣旨だった。実際、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今月2日、COP26の基調演説で「2050年までに全ての石炭火力発電を廃止する」と語っていた。
これに対し、気候ソリューションや環境運動連合など環境諸団体は「当該『宣言』は『2030年代脱石炭達成』をはっきり要求している」とし「国際社会の真剣な努力を半減させる深刻な行動」と批判した。
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韓国政府が脱石炭の時期を巡って右往左往しているのは、これまで何度もCO2削減目標を引き上げる過程で、石炭火力発電所を過度に早く廃止するとしたことに伴う負担が原因とみられる。韓国政府は、昨年の第9次電力需給基本計画で「2034年までに石炭火力発電所30基を転換・閉鎖する」と決定したのに続き、先月確定した2030年国家温室効果ガス削減目標(NDC)を通して、15基前後を追加閉鎖することとした。これについて、エネルギーの専門家らは「急激に新再生エネルギー源を増やして石炭火発を早期に退出させたら、安定的に電気を供給する上で問題が生じかねない」と指摘している。
文大統領がCOP26演説で「韓国は2030NDCを引き上げて2018年比“40%以上”の温室効果ガスを削減する」と語ったことも物議を醸した。「国務会議(閣議に相当)で通過させた『40%』NDCから、事実上『40%以上』へと目標をさらに高めたのではないか」という見方が相次いだからだ。環境部の韓貞愛(ハン・ジョンエ)長官は「われわれは40%を目標にしたが、これは最小限のもの」とし「(文大統領は)40%を目標とし、それ以上までもできるようにしよう、という意思を表明した」と語った。
韓国政府は今年初めまでの時点で、2030年NDCを「30%」程度で検討していたが、与野党が国会で「35%以上」と決定し、続いて文大統領が炭素中立委員会での検討の最中に「40%」に高めるべきだと指示。これにより産業界などから「果たして実現可能な目標なのか」と反発を買った。
韓国がNDCを従来の26.3%から40%へと急激に引き上げる一方、今年の燃料費高騰や新型コロナの状況を受け、主要各国はほとんどNDC引き上げに乗り出さなかった。これにより気候変動枠組み条約の各当事国は、来年エジプトで開かれるCOP27であらためてNDCを引き上げて提出すると決定した。すると「韓国だけが2年連続でNDC引き上げの負担を抱えるのではないか」という声が出た。これに対し韓国政府の関係者は「40%というNDCも、韓国の産業の現実を考慮すると極めて挑戦的な目標を提示したものであって、進むべき道は遠い」とし「来年再びNDCを高めることはないだろう」と語った。産業界では「国内のCO2削減負担と国際社会のCO2削減圧力の間で韓国政府がまごついているせいで、さらに混乱している」という反応だ。
宣政敏(ソン・ジョンミン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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