▲グラフィック=ヤン・ジンギョン
最近、中国が開発中の第6世代戦闘機J36と推定される写真が次々と公開され、この機体の性能や役割についての評価も相次いでいる。米国も、現存する最強の戦闘機と評されている第5世代のF22ラプターの後継機である第6世代F47の開発に熱を入れており、次世代戦闘機を巡る米中の覇権争いは熾烈(しれつ)になる様相だ。第5世代戦闘機の特徴が「敵のレーダーに探知されないステルス機能」であるとするなら、第6世代はこ..
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▲グラフィック=ヤン・ジンギョン
最近、中国が開発中の第6世代戦闘機J36と推定される写真が次々と公開され、この機体の性能や役割についての評価も相次いでいる。米国も、現存する最強の戦闘機と評されている第5世代のF22ラプターの後継機である第6世代F47の開発に熱を入れており、次世代戦闘機を巡る米中の覇権争いは熾烈(しれつ)になる様相だ。第5世代戦闘機の特徴が「敵のレーダーに探知されないステルス機能」であるとするなら、第6世代はここに有人機・無人機合同作戦能力や人工知能(AI)技術などを加え、いっそう強力になった戦闘機を意味する。
【写真】中国が開発中の第6世代戦闘機「J36」
香港紙「サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)」が6月9日付で報じたところによると、最近、地上に駐機しているJ36と推定される機体の写真がソーシャルメディアで公開された。SCMP紙は「これまで公開されたものの中で最も鮮明な画像」だとしつつ「巡航能力、戦闘用ドローン(無人機)との協業の可能性など、以前より多くの情報を推定できるようになった」と伝えた。流布された写真は、J36を開発している中国・四川省の成都飛機工業集団(CAIC)の工場一帯で撮影されたものだという。昨年12月にもJ36の試験飛行の場面が撮影され、流布された場所だ。
公開された写真でJ36は、ミサイルを機体内部に収納するウエポンベイを三つ備えていることが把握された。これはステルス機能を示唆している。ステルス戦闘機は、レーダーの電波反射を最小限に抑えられるように機体表面の角度を設計するもので、旧型の戦闘機のようにミサイルを翼や胴体に取り付けると、精密な計算を通して得られる最適の表面形状が損なわれてしまうからだ。
左右に並べる形で配置したとみられる並列複座の操縦席も特徴だ。1人が機体を操縦して、もう1人はこれを補佐したり、ドローンをコントロールしたりするものとみられる。航空の専門家、ビル・スイートマン氏は、SCMP紙の取材に対して「1950年代以降、空対空戦闘用にデザインされた機体の中で、このようなサイド・バイ・サイドの座席配置を採用した例はない」「このレイアウトは空対地ミッションまで考慮した機体にのみ用いられるもの」と述べた。オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)のシニアアナリスト、マルコム・デイビス氏は「戦闘行動半径は最大3000キロで、第5世代の2-3倍の水準だろうと推定される」と語った。ただし中国当局は、第6世代戦闘機の詳細について一度も明かしたことはない。このため、AIシステムや無人運用能力のような中心的要素が欠如している可能性がある、という見方も出ている。
米国でも、空中での優位を維持するための第6世代戦闘機F47の開発事業が勢いに乗っている。米国政府は今年3月、ボーイング社を主な契約対象に選定し、5月にはデイビッド・オルビン空軍参謀総長(空軍大将)が「米空軍は今後もスピード、機動性、殺傷能力の面で最高の手本になるだろう」と述べつつ、F47のスペックの一部を収めたグラフィックイメージをソーシャルメディアで公開した。
これによると、F47はF22より高い水準のステルス機能を備えているものとみられる。レーダー回避能力が向上し、赤外線探知や視覚的露出まで最小限に抑えているとの分析だ。F47の戦闘行動半径は1000マイル(約1852キロ)以上で、F22の2倍に達することが判明した。
無人の共同戦闘機(Collaborative Combat Aircraft/CCA)YFQ42AとYFQ44Aのイメージも併せて公開された。F47と共にミッションに投入され、有人戦闘機を補助したり、危険地域にまず投入されてパイロットを保護したりする役割などを担うと推測されている。過去の有人戦闘機編隊が、より安い費用で、より多様なミッションを遂行できる無人機に置き換えられるわけだ。F47とCCAの実戦配備時期は2025-29年と示されたが、専門家らは30年代中盤ごろに可能だろうとみている。
次世代戦闘機の配備には天文学的な金額がかかる。ドローンが中心的な兵器として浮上した現代戦において戦闘機は「コスパ」が低い、という懐疑論も存在する。しかし米中が戦闘機開発を放棄するのは難しいだろう、という分析が多い。ドローンと違って、超音速飛行や空対空戦闘が可能な戦闘機は制空権の核心だ。自国領の外で軍事力を展開する際も、遠距離飛行が可能な戦闘機が重要な役割を果たす。また、次世代戦闘機は航空・電子・AI・素材・通信など先端技術の集合体であるだけに、戦闘機開発を通して技術覇権を維持できるという強みがある。オルビン大将は今年3月、ボーイングとの契約の際に発表した声明で「F47を通して、全世界でわれわれの立場を強化し、敵の均衡を崩すだろう」とコメントした。
ワシントン=金隠仲(キム・ウンジュン)特派員、ソ・ボボム記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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