▲尹錫悦・前大統領の金建希夫人/写真=ニュース1
尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の配偶者、金建希(キム・ゴンヒ)夫人の関与疑惑が持ち上がった株価操作事件。この事件を再捜査しているソウル高検が、金夫人は株価操作を事前に知っていたことが分かる録音ファイルを確保したという。金夫人が、自分の口座を担当していた証券会社の社員と2009年以降の3年間に交わした電話の内容だ。ここには、金夫人が株価操作に加担した投資諮問会社側に「40%ほどの収益を渡すこと..
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▲尹錫悦・前大統領の金建希夫人/写真=ニュース1
尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の配偶者、金建希(キム・ゴンヒ)夫人の関与疑惑が持ち上がった株価操作事件。この事件を再捜査しているソウル高検が、金夫人は株価操作を事前に知っていたことが分かる録音ファイルを確保したという。金夫人が、自分の口座を担当していた証券会社の社員と2009年以降の3年間に交わした電話の内容だ。ここには、金夫人が株価操作に加担した投資諮問会社側に「40%ほどの収益を渡すことにした」と話す内容や「株価が管理されている」という趣旨の発言などが収められているという。収益の40%という約定は異例だ。
【表】金建希夫人の株価操作疑惑捜査 ソウル中央地検とソウル高検の違い
この録音ファイルが金夫人の株価操作関与疑惑を明確に立証する直接証拠だと言うのは、まだ難しい。だが、状況証拠にはなる。問題は、この事件を4年以上も捜査したソウル中央地検が、この証拠を確保できなかった状態で金夫人を「嫌疑無し」処分にしたということだ。逆にソウル高検は、再捜査からわずか1カ月で、証券会社に対する捜索を通してこの証拠を確保した。ソウル中央地検の捜査は不十分だったという疑いを拭えない。
証券会社は顧客の売却注文・購入注文に関する電話の内容を録音しているので、社員と株価操作関与疑惑がある人物の電話の内容確保は、検事であれば当然考え得る捜査だ。株価操作事件を捜査する際の基本でもある。この事件の捜査は、もともとは文在寅(ムン・ジェイン)政権が、当時の尹錫悦検察総長(検事総長に相当)を狙って始めたものだった。ところがどういうわけか、文在寅政権の検察も、この証券会社の電話録音ファイルを押収しなかった。無能だったか、もしくは押収の必要性を分かっていても意図的にやらない「見逃し捜査」だったと考えるほかない。
この捜査は最初から、こういう納得し難いことの連続だった。文在寅政権の検察は1年半以上も捜査したが、金夫人の関与を立証できなかった。結婚前のことなので権力型不正ではなく、起訴であろうと不起訴であろうと早く結論を下せばいいことだった。
ところが検察は、尹錫悦政権に変わった後も結論を先延ばしにし続けた。その渦中で金夫人の対面取り調べを主張していたソウル中央地検長が交代するということまで起きた。その後、金夫人に対する「非公開出張取り調べ」で疑惑ばかりを拡大し、昨年10月にようやく「嫌疑無し」の結論を下した。こんなことのせいで、結局は再捜査が始まり、すぐに録音ファイルが出てきた。韓国国民は検察をどう見るだろうか。これでは検察解体論が勢いを得るというものだ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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