▲ソウル市松坡区の百貨店に開店10分前に列をつくる韓国人と中国人の来店客/24日午前、チャン・リョンソン記者
クリスマスを翌日に控えた12月24日午前8時、ソウル市松坡区のある百貨店前。氷点下に近い天候にもかかわらず、午前10時半の開店前から数十人が列を成していた。最前列で毛布持参で地面に座っている人たちに近づくと「ハオチータイア(好期待啊・本当に楽しみだ)!」と中国語で会話する声が聞こえた。人気ブランド品を買うために早朝から列をなして待っている中国人団体観光客だった。後方に並んでいた松坡区在住のLさん..
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▲ソウル市松坡区の百貨店に開店10分前に列をつくる韓国人と中国人の来店客/24日午前、チャン・リョンソン記者
クリスマスを翌日に控えた12月24日午前8時、ソウル市松坡区のある百貨店前。氷点下に近い天候にもかかわらず、午前10時半の開店前から数十人が列を成していた。最前列で毛布持参で地面に座っている人たちに近づくと「ハオチータイア(好期待啊・本当に楽しみだ)!」と中国語で会話する声が聞こえた。人気ブランド品を買うために早朝から列をなして待っている中国人団体観光客だった。後方に並んでいた松坡区在住のLさん(42)は「開店時間に先に到着しても、中国人が並んでいれば、その日はブランド品を見ることもままならない」と話した。
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ブランド品の売り場がある百貨店前では最近、韓中の来店客による「開店ダッシュ」競争が演じられている。最近、ウォン安を背景に中国人客によるブランド品の爆買いが復活したからだ。ウォンの対人民元相場は6月時点の1ドル=189ウォンから今月には同211ウォンまで11.6%もウォン安が進んだ。16年前の2009年以来のウォン安水準だ。韓国を訪れた中国人は免税の恩恵だけでなく、為替差益による割安感も享受できるようになったのだ。
さらに、韓国では今年9月から中国人団体観光客のノービザ入国が認められ、韓国で商品を購入し、中国で転売するいわゆる「転売ヤー」まで押し寄せている。中国人客が増えると、一部のブランド品売り場では購入代金の一部を商品券やマイルなどで還付する特典を設けているほどだ。流通業界関係者は「百貨店ではブランド品が入ったショッピングバッグをいくつも持っている転売ヤーの姿が目立つ。最近人気商品は国内客には手が届かない」と話した。今年10月に韓国を訪れた中国人観光客は45万2531人で、前年同月比21.5%増加した。
ウォン高が急激に進み、韓国社会の至るところから苦しさを訴える声が聞かれる。特に安価な輸入食材を依存してきた零細自営業者には直撃弾となった。ソウル市中区南大門市場でたいやき店を経営しているパク・ヨンヒさん(58)は最近、たい焼きの価格を1個1000ウォン(108円)から2000ウォンに値上げするかどうか悩んでいる。原材料である小麦粉は全て米国とオーストラリアからの輸入なのでコストが大きくなっているのだ。パクさんは「5000ウォンだった小麦粉1袋の価格が2倍近くに値上がりし、焼き鳥に使う中国産唐辛子粉も為替相場の影響で高くなった。庶民の食べ物は価格を誤って引き上げれば、批判ばかり受けることになるので心配だ」と話した。
韓国国内の食品メーカーから商品を購入し、中南米などに輸出する事業をしているKさん(42)氏も泣きたいような表情だ。Kさんは「調達費用に充てる事業資金はウォン建てで融資を受けたが、決済は全てドル払いなので大きな損失が生じている」と話した。Kさんによると、昨年ならばコンテナ5個を輸送できた費用で今年は4個しか送れないという。Kさんは「食品メーカーはウォン安に転じると、(貿易決済を)全てドル建てに切り替えたが、その損失を丸ごと我々のような零細事業者が被っている」と話した。
長距離通勤をする会社員にとっては、ガソリン代が心配だ。直近の2週間は原油価格が下落傾向だった。しかし、韓国国内のガソリン小売価格は依然として1リットル当たり1700ウォン台にとどまっている。京畿道光明市に住む会社員のキム・テウさん(29)は毎日京畿道水原市に通勤しているが、1カ月のガソリン代だけで20万ウォンかかる。最近は週末になると、少しでも安いガソリンスタンドまで遠征するという。キムさんは「車にガソリンを入れているのかカネを注ぎ込んでいるのか分からないほどだ。たった10ウォンでも安いガソリンスタンドを訪ねると混雑している」と話した。
子どもを留学させた家庭の懐事情も苦しい。釜山市海雲台区に住むチェ・ミオクさん(52)は米ロサンゼルスに留学中の娘に毎月生活費として500万ウォンを送っている。しかし、最近のウォン安で娘が実際に使える生活費は減った。チェさんは「娘が留学を終えて定着するためには今後2~3年は仕送りを続けなければならないが、ウォン安が進むので、留学を続けさせることができるか心配だ」と話した。
年末年始の旅行のために購入した航空券をキャンセルする人も少なくない。会社員のキム・ヒョンジュさん(25)は最近決済した来年2月の欧州旅行の航空券をキャンセルした。ウォンが大幅に下落し、計画していた旅行経費で欧州に行くには足りないと判断したからだ。トルコ旅行を控えたKさん(26)も「ウォン高に振れるのを待っていたら、結局最も不利なレートで両替することになった。貧しいバックパッカー旅行になりそうだ」と語った。
空港免税店もドル建て価格を基準に決済するため、韓国人客が減っている。免税店業界関係者は「免税価格目当てにわざわざ訪ねてきていた客も最近は大幅に減った。プロモーションがなければ同じ商品でも百貨店のほうが割安なケースもある」と話した。
キム・ドギュン記者、ハン・ヨンウォン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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