【コラム】ブーメランになった中国のオーストラリア攻撃

 波紋が予想されるにもかかわらず、趙スポークスマンが「合成写真」を取り上げた理由は何だったのか。答えは「西側諸国が主張する人権と自由の虚偽性を暴露した」という彼の発言にあるだろう。「西欧が中国よりも優れているものは何か」と宣伝したかったのだ。

 しかし、これが果たしてオーストラリアの偽善の暴露されたケースとなるだろうか。オーストラリアの国防省は、外部の軍事心理学者に特殊部隊における文化について調査を任せており、2016年2月に初めて戦争犯罪の可能性について報告を受けた。立証されていない「デマ」と「証言」が入り混じった状態だった。オーストラリア国防省は独自の監察を開始した。4年にわたって目撃者423人にインタビューを行い、2万件に上る資料と2万5000枚もの写真を分析した。こうして発表されたのが先月の報告書だ。

 民間人と捕虜に対する過酷な行為は、明らかな重大犯罪だ。しかし、オーストラリアには「これではいけない」と問題を提起する人がいた。独立的な調査と監察制度が働いたのだ。オーストラリアの過ちをオーストラリア人の手で明らかにし、アフガ二スタンにおける被害者のために正義を具現する「自由民主主義」が存在した。

 中国には人民解放軍、武装警察、公安といった人員が数え切れないほど多い。これらが香港、チベット、ウイグルなどで行っていることを世界は全て聞いている。しかし、人権問題を提起する自由も、独立的に調査する制度もないのが中国だ。自国民に対してこんなことを行っている国が、外国人の人権問題までも調査したオーストラリアをあざ笑う資格など、どこにあるというのだろうか。米国が本当に言いたいことは、恐らくこのようなことかもしれない。

ワシントン=キム・ジンミョン特派員

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