若い男女が恋愛も気楽に行えないという現実は、2000年代の文学の主なテーマでもある。ウォン・ジョングクの短編小説『竜の夢』に登場する青年は、家がないためインターネットカフェを転々とする。辛うじて女性と付き合って一緒に暮らすが、無一文の青年を快く思わなかった女性の母親が二人の仲を引き裂き、男性は元の孤独な生活に逆戻りする。この青年にとっては、愛もマイホームの購入もかなえることのできない「竜の夢」だ。
肉体関係なしに精神的交感だけを交わすことを「プラトニックラブ」という。17世紀に活躍したイギリスの作家ウィリアム・ダベナントが「プラトニック・ラバーズ」を公開して広く拡散した。ところが、プラトンはそのようなことを言っていない。プラトンは『饗宴』で肉体、魂、学問を愛の対象として掲げ、この全てのことを含めて美しさそのものを愛することを最高の愛とした。プラトンが生まれ変わったら、若者たちが愛さえもまともにできない世の中を作った従来の世代を厳しく叱責(しっせき)することだろう。
金泰勲(キム・テフン)論説委員