深刻な半導体不況で営業益96%減…サムスン電子、25年ぶりの減産を正式発表

1-3月期の営業利益が6000億ウォン…ここ14年で最悪となる96%の大幅マイナス

半導体事業は推定で4兆ウォンの赤字、メモリー半導体の減産を正式決定

 韓国最大の企業であるサムスン電子が半導体不況の影響で14年ぶりに四半期の営業利益が1兆ウォン(約1000億円)を下回った。サムスン電子は7日、今年の1-3月期の業績速報値を発表した。それによると売上高が63兆ウォン(約6兆3000億円)、営業利益が6000億ウォン(約602億円)だった。昨年1-3月期の営業利益は14兆1200億ウォン(約1兆4170億円)だったため、今回96%のマイナスを記録したことになる。何とか赤字だけは免れた形だ。サムスン電子の四半期営業利益が1兆ウォンを下回るのはリーマンショックの影響が色濃く残っていた2009年1-3月期以来のことで、この時の営業利益は4700億ウォン(現在のレートで約470億円)だった。

 アーニングショック(業績の大幅な悪化)の主な原因は主力事業であるメモリー半導体分野の深刻な不況だ。サムスン電子は今回の速報値で各部門の具体的な業績は公表しなかったが、市場関係者の間では「半導体だけで4兆3000億ウォン(約4300億円)前後の巨額の赤字を記録した」と伝えられている。サムスン電子は「IT需要の不振が続き、半導体部門を中心に業績が悪化したため会社全体の業績が大幅に下落した」「メモリー半導体とシステム半導体のいずれも需要の減少、取引先の在庫調整、景気不振などが影響した」と説明した。

 半導体で巨額の赤字を記録したにもかかわらず、会社全体で黒字だった理由はスマートフォン事業のおかげだ。今年2月に販売を開始したギャラクシーS23シリーズが欧州、インド、中東など世界の主要な市場で前作を大きく上回る販売新記録を達成し、韓国国内でも先日販売台数が100万台を突破した。スマートフォンの予想営業利益は3兆3000億ウォン(約3300億円)ほどだ。それ以外ではディスプレイが1兆2000億ウォン(約1200億円)、電装(自動車部品)事業を担当するハーマンとテレビ・家電が合計4000億ウォン(約400億円)ほどの営業利益を確保し、会社全体の業績に貢献したと市場関係者はみている。

 サムスン電子は7日、メモリー半導体の生産量を減らす「減産」を正式に発表した。世界トップのメモリー半導体メーカーであるサムスンが正式に減産を宣言するのは1998年9月以来25年ぶりだという。

 サムスンは昨年下半期以降、メモリー価格が暴落する中でもライバルメーカーとは違って赤字を甘受し「人為的な減産はしない」との方針を維持してきた。メモリー半導体の不況を「ライバルに差をつけ、市場での支配力を強めるチャンス」とする戦略だったが、不況が予想以上に長引き、赤字幅が膨らんだため方針を見直したのだ。サムスン電子の減産で供給全体が減少すれば、メモリー半導体価格の下落傾向が落ち着き、業況の反転が早まるとの見方もある。

朴淳燦(パク・スンチャン)記者

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