【5月8日付社説】韓日シャトル外交復活、岸田首相は関係改善に向けた相応の措置を

 日本の岸田文雄首相が7日に来韓し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談した。今年3月に尹大統領が日本を訪れてから52日後に岸田首相が韓国にやって来ることで、両首脳が定期的に相手国を訪問する「シャトル外交」が12年ぶりに復活したことになる。

【写真】韓国大統領室庁舎前で手を振る韓日首脳夫妻

 過去史問題について岸田首相は「日本の歴代内閣の立場を継承することに揺るぎはない」とした上で「(植民支配当時)困難な環境の中で多くの方々が非常につらく悲しい経験をされたことは胸が痛い」と述べた。「謝罪と反省」には言及せず強い遺憾を表明したものだが、韓国社会が望むほどのものではなかった。

 このような限界にもかかわらず、尹大統領と岸田首相はシャトル外交を復活させることで、ここ1年で東アジアで最も目に見える変化を築く主役になった。尹大統領は両国関係を難しくしてきた徴用被害者問題に対し、韓国政府が賠償を行う方策を今年3月に発表し突破口を開いた。すると岸田首相は日本を訪問した尹大統領を国賓レベルで歓迎し、その後に韓国を訪問したのだ。両首脳は今月19日の広島G7(先進7カ国)サミットの際に予定されている韓米日首脳会議でも再び顔を合わせる。広島平和公園の韓国人原爆犠牲者慰霊碑も共に訪れるという。

 ここ1年かけて信頼関係を積み上げてきた両首脳は、かつて韓日新時代を開いた金大中(キム・デジュン)大統領と小渕首相(いずれも当時)との関係を再現させる可能性も示している。1998年の金大中・小渕宣言は「韓日関係をより高い次元へと発展させよう」として両国関係を画期的に飛躍させるきっかけとなった。2000年の南北首脳会談、2002年の日本の小泉首相訪朝、2003年の北朝鮮核問題を巡る6者会合などはいずれも未来志向的な韓日関係があったからこそ可能だった。

 最近のロシアによるウクライナ侵攻、さらには中国が周辺国に圧力を加える海洋崛起(くっき、頭角を現すこと)などもあり、韓日両国はより高い次元での協力が強く求められている。北朝鮮の核・ミサイル問題に共同で対処する必要性もこれまで以上に高まった。また両国はいずれも経済危機や人口減少などの問題を抱えている。このような状況で過去にとらわれている時間などない。尹大統領と岸田首相は韓国における反日左派と日本の嫌韓右派に振り回されず、未来に進まねばならない。それには、尹大統領が内政における負担を抱えながらも口火を切った韓日関係改善の努力に対し、岸田首相がより積極的に応える勇気と誠意を示すべきだ。

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  • ▲首脳会談前に握手する尹錫悦大統領と日本の岸田文雄首相/聯合ニュース

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