急流の中で行方不明者捜索する韓国海兵隊、救命胴衣も着用させていなかっただなんて【7月20日付社説】

 19日、韓国海兵隊のある隊員が河川で、集中豪雨と土砂崩れによる行方不明者の捜索活動を行っていたところ、急流により流されて行方不明になった。海兵隊は隊員たちに救命胴衣も着せないまま、捜索活動に投入していたことが分かった。あり得ないことが起こってしまったのだ。

【写真】濁流に飲まれた一等兵の捜索を見守る海兵隊員

 海兵隊第1師団の隊員たちは同日午前、慶尚北道醴泉郡内を流れる乃城川の普門橋一帯で豪雨・水害による行方不明者を捜すため、横一列になって川底を捜索した。隊員たちが川に入って横一列に並んで立ち、歩きながら捜索するという方法によるものだった。隊員たちは救命胴衣を身につけておらず、長靴だけを履いて捜索に投入された。砲兵大隊所属のA一等兵は同日午前9時3分ごろ、ほかの隊員たちと一緒に横一列になって捜索に当たっていたところ、川底が突然崩れ、急流によって流されて行方不明になった。そして後に心肺停止状態で発見され、死亡が確認された。

 韓国には「軍人はどんなことにも動員していい」という悪い思考方式が残っている。山火事・土砂崩れ・水害復旧など厳しく困難な現場に兵士を動員するケースがよく見られる。2011年の口蹄(こうてい)疫発生時は延べ数十万人の兵士たちをブタなどの家畜殺処分作業に動員したこともした。もちろん、全国規模の災害現場に兵士を投入することもあるだろう。しかし、それは例外的なケースであるべきで、基本的な安全装備を支給した上で投入しなければならないのが常識だ。大災害の発生現場で捜索活動を行うのに、なぜ救命胴衣のような基本的な装備すら支給せず、急流の中に隊員を投入できるのだろうか。A一等兵の父親は「救命胴衣がそれほど高価な物だろうか。これは殺人ではないのか」とおえつしたという。

 兵士たちは基本的に国防の義務を遂行するために入隊した国民だ。どんなことでもさせてもいい人々ではない。国防の義務を遂行しに行った若者たちをむやみに消耗品扱いすることはあってはならない。やむを得ず投入する場合も、最低限の安全装備をさせることがそれほど難しいことなのだろうか。安全に対する韓国軍の鈍感さは度を越している。実に情けないことが起こった。

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  • ▲19日、慶尚北道醴泉郡の普門橋で、豪雨・土砂崩れによる行方不明者を捜索していた海兵隊員1人が急流により流された。写真は同日午後、悲しむ同じ師団の隊員たちの様子。写真=チャン・リョンソン記者

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