韓日交流戦をもう一度見たい【コラム】

 スポーツの韓日戦が近づくたび、決まって聞こえてくる言葉がある。「日本にはジャンケンでも絶対に負けてはいけない」。運で決まるジャンケンでも勝たなければならないなんて…。しかし、振り返ってみると、この表現には重要な前提がベースにある。どんな競技で対戦しても、それだけ日本には劣っていないという自信が韓国にはあったということだ。対等な実力、そして韓日戦で発揮される韓国特有の闘志もあり、実際に怖いものなしだった。

 だが、そんな自信も今となっては影も形もない。今、行われている、いわゆる「4大球技」(野球・バレーボール・バスケットボール・サッカー)での実力差はますます広がっている。今年3月に行われた野球の国際試合「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」で韓国は決勝トーナメントに進出することもできなかったが、日本は通算3度目の優勝を果たした。日本との実力差は論じる余地もないほどだった。この時、「日本の野球には魂があり、韓国の野球は魂が出た(=散々な目に遭った)」という冗談が飛び交った。

 では、バレーボールはどうだろうか。16カ国が出場し、バレーボールの世界最強国を決める国際バレーボール連盟(FIVB)ネーションズリーグ(VNL)で、女子韓国代表チームは昨年に続き2大会連続12戦全敗となり大会を終えた。男子韓国代表は実力が足りず、出場すらできなかった。一方、日本の男女代表チームはいずれも準々決勝戦に備えている。

 北米男子プロバスケットボールリーグ(NBA)を例に挙げると、韓国ではまだ20年前の河昇鎮(ハ・スンジン=韓国初のNBA選手)に言及する。だが、日本はNBAで活躍する現役の選手が2人もいて、着実にNBA入りを狙える有望選手もいる。まあまあ同じくらいと言えるのはサッカーぐらいだ。昨年のワールドカップ(W杯)カタール大会では韓日そろってベスト16入りを果たした。

 韓国のスポーツはこれまで、野球の朴賛浩(パク・チャンホ)、バレーボールのキム・ヨンギョン、サッカーのソン・フンミンなど少数のスーパーヒーローたちのおかげで、世界の舞台で日本と対等だという錯覚と幻想の中で生きてきた。国内リーグの体質改善や海外リーグとの交流などを増やすため悩むこともなく、そのままで何とかやって来た。そうして「井の中のかわず」になった。やがて天才たちが年を取ると、すぐに底が見えてしまった。

 WBCとVNLで惨敗した後、韓国の野球を総括する韓国野球委員会(KBO)と、バレーボール・リーグを総括する韓国バレーボール連盟(KOVO)はあわてて、しばらく中断していた韓日交流戦の再開などを含む複数の対策を打ち出した。単に世論をなだめるための応急処置にとどまらないようにするには、真摯(しんし)にこのプロジェクトを推進し、学びと経験の場を設けるべきだろう。つまらないプライドではなく、まず積極性を示さなければならない。

 韓日のスポーツ交流戦はその特殊性が故に興味深い要素が多い。勝負欲も加わって、し烈な名勝負が展開され、興行にも好材料として働く可能性がある。新型コロナ流行という言い訳もいらない。21世紀に竹槍(やり)を手に精神力を強調したからといって、日本を超えることはできない(訳注:朝鮮時代末期に日本軍に反乱を起こした東学軍が竹槍を手にしていたと言われることから、竹槍は日本との戦いの象徴になっている)。スポーツでも知日(日本を知ること)を通じて克日(日本に勝つこと)を図る時だ。定期的な韓日交流戦は、未来志向の韓日関係のためにも是非とも必要だ。

パク・カンヒョン記者

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  • ▲2021年3月25日、横浜市の日産スタジアムで行われたサッカーの国際親善試合(韓日戦)で、ボールを競り合う韓国代表の李康仁(イ・ガンイン)=写真左=と日本代表の吉田麻也。写真=大韓サッカー協会

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