10万ウォン分購入すると13万ウォン分の特典…施行8カ月韓国版ふるさと納税「故郷サラン寄付制」、自治体間で競争激化

10万ウォン分購入すると13万ウォン分の特典…施行8カ月韓国版ふるさと納税「故郷サラン寄付制」、自治体間で競争激化

 「全羅北道井邑市の故郷サラン寄付制(サランは「愛」の意味)で差し上げる最初の返礼品は井邑韓牛です。たった10万ウォン(約1万900円)の寄付でブランドの韓牛を真空パックでお届けします」

 全北井邑市の公式ユーチューブ「井邑See」に出演した司会者は、まるで店員たちが商品を売るかのように井邑故郷サラン寄付制の返礼品を紹介している。

【表】故郷サラン寄付制、自治体別の寄付金募集状況

 これに対抗する隣町「任実郡」の広報作戦は、ソーシャルメディア(SNS=交流サイト)の活用だ。任実郡を代表する特産物である「任実チーズ」の返礼品の広報動画を撮影した後、フェイスブックやインスタグラムなどに掲載。SNSを通じて「任実寄付」に関する俳句を募集するイベントも行った。サッカー国家代表のナ・サンホ選手は、故郷の全南潭陽郡に500万ウォン(約54万円)を寄付し、潭陽郡の故郷サラン寄付制の広報動画にも友情出演するなど力を入れている。

 今年1月から施行され半年以上が過ぎた故郷サラン寄付制を活性化させようとする地方自治体が、熱い戦いを繰り広げている。行政安全部(日本の省庁に相当)のイ・ヒョンソク均衡発展制度課長は「故郷サラン寄付制は国家から資金を受け取るのではなく、あくまで地方自治体の努力により寄付金を募る一種の『成果給概念』であり、地方自治体別に多大な努力を傾けている」と説明する。

■10万ウォン寄付すれば13万ウォン分の特典

 故郷サラン寄付制とは、離れてきた故郷をはじめ、過去に自分が住んだことのある地方自治体に寄付すれば、寄付金税額控除の特典を受けることができる制度だ。10万ウォンまでは全額控除、10万ウォンの超過分については16.5%の控除が可能だ。例えば、10万ウォンを寄付すれば、翌年の年末調整の際には税金として納めた10万ウォンが戻ってくる。

 特典は何もこれだけではない。寄付金を受け取った地方自治体が感謝の意を込めて寄付金の30%の範囲内で返礼品を送る。寄付者の立場としては10万ウォンまでは全額年末調整の際に返金してもらえるため、事実上3万ウォン(約3300円)の返礼品を無料で受け取る「財テク」となるわけだ。地方自治体の立場からしても、寄付金を集めて地域事業に使用することができ、予算が増えるという効果がある。

 本紙が8月13日、国会企画財政委員会のソン・オンソク議員(国民の力)を通じて入手した「故郷サラン寄付制の運営現況」と題する資料によると、故郷サラン寄付金の総額(非公開地域を除く)は6月の1カ月で98億4929万ウォン(約10億7000万円)と、施行を開始した1月(21億6813万ウォン=約2億3600万円)の4.5倍となった。故郷サラン寄付制の返礼品を登録した地方自治体は、1月の218カ所から7月21日現在で240カ所に増えた。これは地方自治体全体の98.7%に上る。

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