韓国で電気自動車4.5万台、バッテリー点検できず…火災・爆発など安全面で懸念

 韓国国内で登録されている電気自動車(EV)のうち約4万5000台がバッテリーの状態を点検できず、火災や爆発などの安全面で懸念があることが判明した。この3年間で発生したEVの火災事故が100件に迫る中、登録されているEVの10台に1台が安全点検の基礎となるバッテリー診断を受けていない計算になる。

【写真】路上で炎に包まれるテスラ(23年6月、全羅北道全州市)

 韓国交通安全公団がこのほど、国会国土交通委員会所属のチョ・オソプ議員(共に民主党)に提出した国政監査資料によると、今年1月現在で韓国で登録されているEVの11.6%に相当する4万5212台が公団にバッテリーマネジメントシステム(BMS)のデータを提出していないという。

 BMSはEVのバッテリーの電流、電圧、温度などをモニタリングし、最適性能を発揮できるように制御するシステムだ。バッテリーが安全な状態を維持しているかどうかを点検するには、BMSで収集したデータを確保する必要がある。現代自動車・起亜、韓国GMなど韓国の自動車メーカーはデータを公開しており、交通安全公団が開発した電子装置診断機(KADIS)を通じ、公団所属の検査施設や民間検査施設でバッテリーを点検することができる。しかし、輸入車は重要情報が流出する恐れがあるとし、BMSのデータ提供に消極的だ。データを提供していないEVの77.6%(3万5098台)が輸入車であることが分かった。メルセデス·ベンツ(7418台)、BMW(7081台)、フォルクスワーゲン(6228台)の3ブランドが全体の半分以上を占めた。続いてポールスター、ポルシェ、プジョー、ボルボなどが続いている。

 しかし、現在輸入車メーカーにデータ公開を強制する法的根拠はない。現行の自動車管理法施行規則によると、自動車メーカーが交通安全公団に提出しなければならないデータの範囲にBMSが含まれていないためだ。内燃機関車は車種によって6カ月から2年ごとに検査を受けなければならないが、バッテリーは検査周期に関する規定がないことも問題だ。チョ議員は「国民の安全、国内メーカーとの公平性を考慮すると、輸入車メーカーももっと積極的にデータを提供すべきだ。政府は関連規定を早急に整備しなければならない」と指摘した。

チェ・ソンジン記者

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