「所持金が多すぎるという理由で入国拒否された…韓国旅行には行かないで」 タイ人たちが怒った理由とは

 タイ人の間で「韓国には旅行に行かないようにしよう」というムードが広がっているという現地メディアの報道が飛び出した。韓国の出入国管理事務所による入国審査が非常に厳格で、観光客らが韓国の地を踏まずにタイへの帰国を余儀なくされるケースが増えているからだ。タイのタウィーシン首相も、この問題の解決に取り組むことを明らかにした。

【グラフ】訪韓外国人観光客の国籍

 タイ紙バンコク・ポストは1日(現地時間)「タイの観光客らが韓国に背を向ける」と題する記事で「先週末、SNS(交流サイト)のX(旧ツイッター)で最も人気があったハッシュタグは『韓国旅行禁止』だった」と報じた。

 同紙によると、「韓国旅行禁止」というハッシュタグの付いた投稿は100万件以上見られるという。投稿者らは韓国で入国拒否に遭った経験をシェアし、何カ月も前から計画していた休暇が台無しになったと明かした。あるタイ人は「給与に対して所持金が多すぎるという理由で入局を拒否された。今回の旅行のために5年かけてお金をためていたのに」とつづった。別のネットユーザーは「出入国管理事務所で、韓国に4回も観光に来ているのにまだ足りないのか、と聞かれた」とあきれたような反応を見せた。観光客のビザなし入国が可能な日本や台湾を引き合いに出し「韓国よりもそういう国に行った方がましだ」という書き込みもあった。

 実際に、韓国を訪れるタイ人の数は減少傾向にある。今年3月の訪韓タイ人は4万3084人で、コロナ前だった2019年3月の81.1%まで回復した。しかし、今年7月と8月には50%台まで落ち込んだ。その期間に日本を訪れるタイ人の数は増加した。昨年11月、日本を訪れたタイ人観光客は訪韓タイ人に比べて1.78倍多かったが、今年5月には2.6倍と差が広がった。

■「タイ人の不法滞在者が影響…両国の政府が解決に乗り出すべき」

 同メディアは、韓国の入国審査が厳しいことについて、タイ人の不法滞在者問題が影響していると指摘した。タイ旅行社協会のチャルン会長は「コロナ禍で仕事を失ったタイ人たちは、韓国への外国人の入国が再開されて以降、韓国の農村に殺到した」として「一時は不法に入国した労働者の数が合法的な観光客の数よりも多かった」と話した。

 韓国にはおよそ14万人のタイ人不法滞在者が居住しているという。今年3月、仁川市内のナイトクラブで行われたタイの有名歌手アーム・チュティマさんのコンサートで、仁川出入国外国人庁は不法滞在の外国人83人を摘発した。今年5月には違法薬物を流通・使用したタイ人の不法滞在者13人が検挙された。

 韓国政府は今年4月、米国、日本、英国など22カ国の観光客に対し、来年末まで出発前の電子旅行許可制「K-ETA」の適用を免除したが、タイは除外された。

 チャルン会長は「この問題はタイと韓国の政府が共に解決すべきだ」として「両国政府は不法就労者の入国を支援するネットワークを撲滅するために努力しなければならない」と主張した。さらに「台湾は合法的なタイ人労働者が多いため、観光客が入国拒否の心配をする必要がない」と話した。

 問題提起が相次ぐと、タイのタウィーシン首相もこの問題の解決に取り組む姿勢を示した。タウィーシン首相は先月31日「タイ人が韓国で入国を拒否されて追放されるケースが相次いでいる問題について、チャカポン・サンマニー外交部次官と話し合う」と述べた。

イ・ガヨン記者

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  • ▲昨年6月、大邱国際空港を通じてタイの旅行会社の関係者やインフルエンサーなどの団体観光客が韓国に入国している。/news 1

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