「孫流」はもう通じないのか…豪邸を担保に9200万ドルの融資を受けた億万長者・孫正義

 フィナンシャルタイムズは、孫会長が2019年にみずほ銀行から融資を受け、この邸宅を担保に差し入れた文書を入手した。シェアオフィス業者ウィーワークの新規株式公開(IPO)が失敗に終わったタイミングだった。孫会長は住宅担保融資のほか、個人向け融資も受けたという。ソフトバンクの第2のビジョンファンドであるラテンアメリカファンド、短期ヘッジファンドであるSBノーススターに投資するため、ソフトバンクに個人的にお金を借りた。昨年9月末時点で、孫会長の個人債務は50億ドルを超えた。

■「孫流」はもう通じないのか

 孫会長はアリババ、ウーバーなど錚々(そうそう)たる企業への初期投資で莫大な収益を上げ、「投資の天才」と呼ばれた。ただ、中国のテクノロジー企業に対する規制、米中対立、テクノロジー関連株下落などでソフトバンク傘下ベンチャーキャピタルであるビジョンファンドが投資した企業の株価が暴落し、巨額の損失を出した。ソフトバンクは4四半期連続の赤字を記録している。

 業界は「孫流」と呼ばれた孫会長の投資スタイルが限界に達したとみている。孫会長は赤字覚悟で特定企業に資金を注ぎ込み、ライバルをなくし、市場を掌握した後、企業価値の上昇で莫大な収益を上げてきた。毎年多額の赤字を出していた韓国のEC企業、クーパンに15年から3兆ウォン(約3300億円)を超える資金を投資したのが代表的だ。ソフトバンクは21年3月、クーパン上場で含み益を得たが、その後株価が急落すると、同年9月には約2兆ウォンでクーパン株を売却した。16年からシェアオフィスのスタートアップであるウィーワークに169億ドルを投資したが、同社は昨年11月、破産申請を行い、ソフトバンクに大きな打撃を与えた。

 ソフトバンクは投資先の株式を担保に資金を調達し、新たな投資を行う手法で投資を繰り返してきたが、それは維持が難しくなった。孫会長は16年、320億ドルでARMを買収し、会社が5年以内に5倍成長すると自信を示したが、12日現在でARMの企業価値は717億7000万ドルにとどまり、孫会長の期待にはるかに及ばない。

卞熙媛(ピョン・ヒウォン)記者

【図】4四半期連続赤字のソフトバンクと代表的な投資失敗例

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