平均生存期間3日「人間地雷探知機」としてロシアに売られる東南アジアの若者たち

「高額給与」の言葉にだまされロシア軍に
入国と同時にパスポート没収、最前線へ
ウクライナ軍の位置把握目的の「おとり」

 ウクライナを侵攻しているロシアが東南アジアの貧しい若者を誘い出し「人間地雷探知機」として前線に投入していることが分かった。派兵中の北朝鮮軍を肉弾戦術に動員し、今度はグローバルサウス(南半球の発展途上国)にまで手を伸ばしているようだ。2月24日に侵攻開始から丸4年となるが、ロシアに対しては「世界の貧しい若者の命を安く買い取っている」との指摘も相次いでいる。

【写真】ロシア軍として戦闘に参加したフィリピン人雇い兵のジョン・パトリック

 オンライン外交雑誌「ザ・ディプロマット」が10日に報じた。同誌は「ロシアは東南アジアを拠点とするネット詐欺組織の手口を使い、多くの戦闘員を少しずつ集めている」とした上で上記のように報じた。ロシア軍と関係が深いブローカーたちは経済的な理由でロシアへの移住を希望する東南アジアの若者のSNS(交流サイト)に「月2000-2300ドル(約31万-35万円)の給与とロシアの市民権を提供する」と持ちかけ接近しているという。ロシアは人口減少と労働力不足で外国人就業のハードルが低く、東南アジアの貧困層に人気が高い。

 ブローカーは若者たちがロシアに到着すると同時にパスポートとスマートフォンを没収し、ロシア語の文書への署名を強要する。表向きは「清掃業務契約書」と言われるが、実際はロシア軍入隊志願書だ。被害者の多くがロシア語の分からないことを悪用しているのだ。この多くの若者たちはわずか1週間ほど訓練を受けて最前線に送り込まれ、ミートグラインダー(肉ひき器)戦術と呼ばれる消耗戦に投入されている。

 ロシア軍は彼らを「ミヤチキ(小さい信号)」と呼んでいるという。敵が射撃する位置を把握するために最前線でおとりになるか、地雷が埋められた場所で先頭を歩かせる「人間地雷探知機」になるという意味だ。先月ウクライナのドネツクで最前線に投入され死亡したフィリピン人のジョン・パトリックのように被害者の国籍と名前が確認されたケースもある。パトリックの遺品は部隊の番号と指揮官の名前が書かれたメモ用紙だけで、遺体もフィリピンに引き渡されていない。前線に投入された外国人兵士の平均生存時間はわずか72時間という報告もある。

 2022年にロシアが予備役の一部を現役として招集した際には26万人以上のロシア人男性が海外に逃れた。この事態を受けロシア政府は海外の貧困層に手を伸ばしている。ウクライナ政府の集計によると、先月の時点で128カ国から1万8000人以上の外国人がロシア軍に入隊し今も兵士として活動している。うち確認された戦死者は約3000人だ。

 東南アジア各国の対応は分かれている。インドネシアはロシア軍に入隊した自国民の市民権を直ちにはく奪し、フィリピンは空港で自国民によるロシア行き航空機への搭乗を禁じ、人身売買の被害者として保護している。ベトナムとシンガポールは法律に基づく厳しい制裁で雇い兵の入隊を阻止している。これに対して社会主義国のラオスは政府次元で工兵隊をロシアのクルスクに派遣する準備を進めているという。

アン・ジュンヒョン記者

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