【コラム】WBC韓国惨敗、安全志向の芸能人野球が没落した日

 リトルリーグの韓国代表が3年前に世界トップになった当時、誰もが韓国野球界の未来を楽観した。しかし優れた才能を持つ若い選手たちをじっくり育てる仕組みが韓国にはなかった。韓国の幼い選手たちはまだ成長途上にある中学生の時から大人たちと同じ野球場でボールを投げバットを振る。アマチュア指導者の多くは自分の生活が懸かった試合結果以外に関心はなく、若い選手を育てることは完全に後回しだ。

 ある野球関係者は「われわれが現役だった頃、冬の間はずっと地味なトレーニングで体づくりをしていたが、今の若い選手たちは一年中試合ばかりしているようだ」と語る。体力も技術も未熟な状態で体を酷使し、その結果けがなどの影響で早くから夢を諦める若い選手も後を絶たない。底辺がこのような現状にあるにもかかわらず、プロチームは成績や結果ばかりに執着し、わずかの選手に巨額の年俸を支払うことに全力を傾ける。このような韓国野球界の現状は、実は韓国経済とも多くの点で共通点がある。しっかりとした基盤整備を怠り、結果として成長エンジンを見いだすことができず、わずかな大企業の言いなりになって濃い霧の中をさまよう韓国経済の縮小版が今の韓国の野球界だ。

 韓国プロ野球は14日からオープン戦が始まり新たなシーズンを迎えるが、あるプロ野球関係者は「WBCでの失敗がペナントレースでの集客に影響することはないだろう」と楽観的だ。しかしこのような安易な考えが韓国野球界を不振に追い込んでいる。派手な外見の本当の中身が暴かれた時、球場から客足が遠のくのは時間の問題だ。

スポーツ部=姜鎬哲(カン・ホチョル)次長
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