こうしたつじつまの合わないばかげた対応に、現政権の主力となる586世代の政治家たちは詭弁と沈黙を決め込んでいる。民主党の申東根(シン・ドングン)議員は「越北は反国家的重大犯罪で、それでも強行する場合は射殺することもある」とし、故人と遺族の心を再び踏みにじった。国家安全保障会議のメンバーである李仁栄長官は、非理性的な政府の対応をリードする中心軸を担っている。「国民の生命保護」は政権存立のための最低限の根拠であり名分だ。積極的であれ消極的であれ、これを崩壊させて自分たちの利益を得ようとする政権は、どうあっても審判されるべきだ。没落した過去の軍事独裁政権は、そのような極端なケースだった。もちろん、当時と現在は違う。しかし、「政権が守らなければならない国民の生命の尊さは、いつでもどこでも同じでなければならない」という点は、より明確になっている。永遠に国民を欺くことはできない。文在寅政権を守るためにも、586世代の政治家たちが33年前の記憶を呼び起こし、良心の声に耳を傾け、良識ある声を発してくれるよう期待する。
チェ・スンヒョン記者