独島問題
鬱陵島・独島訪れる日本人…乗船拒否する旅客船
日本の外務省は2010年から韓国を旅行する自国民に対して「独島観光自制」を勧告している。「自国領土」である独島に行きながらパスポートを所持し、韓国の法律に基づいて独島を訪問することが、韓国の管轄権に従うことだと認識され得るとの懸念からだ。日本のこうした「懸念」は現実のものとなっている。2005年に独島訪問手続きが簡素化されて以降、日本人観光客114人が独島を訪れたが、このうち13人は慶尚北道鬱陵郡の名誉住民であることを認証する「独島名誉住民証」まで与えられた。韓神大学のハ・ジョンムン教授は「日本人が韓国に入国して独島を訪問するケースが重なれば、今後の独島領有権紛争で我々の方が有利な位置を占めることになるだろう」と語った。
しかし最近、韓国では鬱陵島・独島を往来する複数の船舶運営会社が日本人観光客の独島行きフェリー搭乗を拒否し、過激な反日勢力がこれに応援する状況が生じている。このため、「感情的反日」が勢力を伸ばして、かえって国益を損なっていると指摘されている。
「韓日カップル」の恋愛話を紹介している動画共有サイト「ユーチューブ」チャンネルに先月28日、「恋人が日本人だという理由で鬱陵島行きの船に乗ることを拒否された」というタイトルの動画が投稿された。韓国人男性と日本人女性のカップルが鬱陵島行きのフェリーに乗ろうと切符売り場に行ったところ拒否されたという内容だった。男性は「法的に乗船できないというのか。鬱陵島のホテルやレンタカーも予約しているし、事前の連絡ももらっていない」と抗議したが、従業員は「規定上だめだ」「日本人乗客の安全を担保できない」と繰り返した。動画の最後で男性は「私も日本に留学していたが、韓国人だと差別されてつらかった。将来妻になる人がこのような差別を受けて気分を害しているし憤りを感じている。彼女が韓国に来た時、もっと良い環境で暮らすことができれば」と語っている。
事実、8月に入って韓日確執が激化し、日本人の独島・鬱陵島行きフェリー乗船そのものを断る船舶会社が増えている。これまでは一部の船舶会社が日本人の独島行きを断った事例はあったが、鬱陵島行きまで断ったのは今回が初めてだ。動画に登場した旅客船運航会社「seaspovill」では「鬱陵島の乗船不許可は先月3日、うちが最初に決定したと聞いている」と語った。この会社は先月4日も浦項で鬱陵島苧洞港-独島間を運航するフェリーに乗ろうとした日本人Aさん(72)とBさん(58)の予約を拒否している。
実は、日本人乗船拒否には明確な法的根拠がない。関連法令にも条例にも日本人の独島訪問を禁止する内容がない。出入国管理法に基づいて「大韓民国の利益や公共の安全を害するおそれがある人物」は入国そのものを阻止できるが、それがすべてだ。独島管理事務所も「特異な履歴が確認されない以上、日本人の独島・鬱陵島上陸そのものを拒否することはない」としている。
それにもかかわらず、船舶会社は「仕方がない」と主張する。「独島」の象徴性ゆえに船内で日本語が聞こえただけで韓国人乗船客と摩擦を起こす可能性があるというのだ。「seaspovill」関係者は「最近、乗船客はもちろん、国家情報院まで独島行きのフェリーに注視している。もし鬱陵島・独島行きの船で日本人客が日章旗でも振ろうものなら、その非難や被害の責任は船舶会社がすべて取らなければならない」と言った。ユーチューブに出てきた男性は船舶会社に「韓国人との結婚を控えているので韓国人と変わらない」と訴えた末、「独島に行かない」と誓約することを条件に鬱陵島に行って来ることができたと語った。
こうした船舶会社の対応に拍手を送る人もいる。韓日カップルの鬱陵島旅行受難を撮影したユーチューブ動画の下にも、「日本の土着倭寇(わこう)が独島に行こうと小細工しているものだ」「極嫌だ(極端に嫌悪すべきだ)」「日本人にいくらもらってやっているのか」など、この男女を非難するコメントが次々と寄せられた。この動画は結局、削除された。
独島管理事務所の関係者は「独島を訪問して名誉住民証を受け取った日本人たちはほとんどが普通の留学生や観光客だ」と話す。国民大学のイ・ウォンドク教授は「国籍だけで乗船そのものを阻むことは国際法上、類例のないことであり、善良な日本人に反韓感情ばかり植え付ける恐れがある」と言った。世宗独島総合研究所の所長を務めている保坂祐二・世宗大学教授は「日本人の独島訪問を奨励すべきだ」と語った。