13日午後11時すぎ、日本の福島県沖で発生した地震で、福島県、宮城県など東北地方では震度6強の揺れを感じた。震度6強は人が立っていられず、室内で固定されていない家具の大半が倒れる可能性がある揺れだ。窓ガラスが割れたり、壁のタイルが落下したりすることも多い。NHKによると、福島県では約30秒にわたり、建物が強く揺れた。福島県の住民はNHKのインタビューに対し、「10年前の3・11東日本巨大地震を思い出すほど強い揺れだった」と語った。日本の気象庁によると、東北地方沖で今回のような大地震が起きたのは東日本巨大地震とその余震が発生して以来約10年ぶりだ。

 今回の地震で約150人がけがをし、各地で建物が破損する財産被害が相次いだ。山崩れも発生した。住民は不安な夜を送り、急いで避難する人も多かった。福島県ではいわき市のショッピングセンターで大型のガラスが割れるなど、多くの建物が破損した。2011年の大地震で約3500人が死亡した宮城県石巻市の住民は津波が来ることに備え、夜中に慌てて荷物を持ち家を出た。NHKなど日本のテレビ各局は「津波の恐れはない」と何度も強調したが、10年前の津波の惨事を思い出した市民は高台へと避難した。

 東日本巨大地震で自宅が完全に倒壊したある住民(50)は日本経済新聞の取材に対し、「突き上げるような揺れが2回あった。10年前のように危ないと考え、夫や娘と共に家財道具を車に載せて速やかに逃げた」と話した。宮城県で酒類販売業を営む男性はNHKに対し、「10年前の大地震に比べると、今回は一気に突き上げるように感じて驚いた。コロナ禍で売り上げが減少した状況で、こんな地震が起きて本当に苦しい」と語った。

 地震の影響で、東京都、茨城県、栃木県などで約80万戸が一時停電した。停電地域に住む数百万人の住民は眠れないまま、夜明けを待たなければならなかった。停電被害は14日午後までに全て復旧した。新幹線でも停電が起き、一部区間の運転ができなくなった。東北地方では約5000戸で断水し、住民が不便を強いられている。流通大手イオンや大手百貨店は臨時休業を決めた。

 今回の地震は大地震だが、マグニチュード9.0に達した10年前の大地震に比べると威力が弱く、震源の深さが55キロメートルと比較的深かったため、相対的に被害が小さかった。また、大半の市民が寝ているか帰宅している時間に発生したことも被害の軽減につながった。

 東京電力の福島第一原子力発電所と日本原子力発電の東海第二発電所(茨城県)などでは異常は発生しなかった。ただ、10年前の大地震で廃炉になった福島第一原発5・6号機の建物では使用済み核燃料のプールで少量の水があふれる事故があった。日本政府は調査の結果、プールからあふれた水は少量で、放射線量も高くなく、外部に漏れていないことから、大きな問題はないと説明した。

 気象庁は今回の地震を3・11東日本巨大地震の余震と分析していることを明らかにした。3・11大地震は数十万平方キロメートルの断層面が破壊されるほど異例の大地震だったが、当時解放された力が蓄えられ、10年後に余震が起きた形だ。日本の防災科学技術研究所の関係者も「今回の地震が起きた位置からみて、10年前に発生した東日本巨大地震の余震と見なされる」と述べた。

 日本の東海上では太平洋プレートと北米プレートがぶつかり、大地震がしばしば発生する。東日本巨大地震の後にも過去10年間で日本の海域と陸上ではマグニチュード7.0以上の地震が11回起きた。東京大地震研究所の加藤愛太郎教授は「2011年の余震でも停電が発生するなど大きな被害が出た。揺れの範囲が広いため、被害が拡大しやすかった」と指摘した。

 菅義偉首相は地震が発生した直後の13日午後11時半、官邸に入り、緊急会議を開いた。加藤勝信官房長官は「今回の地震で若干の海水面の変動があるかもしれないが、津波の心配はない」と強調した。

 日本社会は今回の地震は3・11東日本巨大地震10周年を控えた時期に起きたことから不安を募らせている。大地震によるショックと後遺症がまだ残っている状況で再び強い地震に見舞われ、民心が荒廃しかねないという懸念もある。当時の津波で福島第一原発の爆発事故が起き、大きな被害をもたらした。相当数の地域住民が日常生活に戻ったが、まだ復興活動が進んでいるところが多い。東京の消息筋は「民心が安定していない東北地方が再び地震に襲われ、現地住民がさらに不安を感じる可能性が懸念される」と話した。

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