▲今月27日、大邱市内の大学病院救急室で、背中を軽くたたき同僚をねぎらう医療従事者。写真=聯合ニュース

 28日午前7時、ソウル市瑞草区のソウル聖母病院救急医療センター。小走りで複数の患者の処置に当たっていた医師(専門医)の顔にはびっしりと汗がにじみ、流れ落ちていた。この医師は救急室の当直を務め、丸36時間働いているという。「救急患者たちを見て、使命感だけで踏ん張っている。初期研修医たちはそれぞれの意思によって集団で退職届を出したが、結果的に病院を医師不在にしたのは事実だから、国民の糾弾は十分にあり得ることだ」と言った。ある50代の教授は「初期研修医がいなくて大変だが、患者のためにも後輩(初期研修医)のためにも、私たちは残っていなければならない」と話した。また、ある後期研修医は「病院を最後まで守りたい」と語った。

 現在、約1万3000人の初期研修医のうち、70%を超える約9000人が病院を去り、手術件数は通常の半数程度まで減らされている。しかし、教授・後期研修医・一部の初期研修医は今も患者を守り、孤軍奮闘している。

 本紙が取材した結果、釜山大学病院呼吸器アレルギー内科の集中治療室はイ・グァンファ教授とリュ・ワンホ教授の2人が担っていることが分かった。2人は、初期研修医が集団離脱した20日から28日まで200時間近く帰宅できずにいるという。病院で仮眠を取りながら24時間、重症・重篤患者に対応しているのだ。同病院の救急室もこれまでいた初期研修医6人がいなくなり、専門医6人が交代で勤務している。

 現場を離れていない初期研修医もいる。忠清南道のある私立大学病院では、内科の初期研修医2人が残って集中治療室を担当している。彼らは退職届を提出しなかったとのことだ。同病院の救急室にいた初期研修医5人は退職届は出したが、患者のもとを去ってはいない。5人が1人ずつ順に当直をしている。

 仁川市内の嘉泉大学付属吉病院では、初期研修医たちがいなくなったため、教授と後期研修医約200人が非常勤務表を組んで集中治療室と救急室を分担している。同病院感染内科のオム・ジュンシク教授は「教授たちも12-24時間、きっちり当直勤務をしている」と語った。慶尚大学病院でも教授と後期研修医が「初期研修医がいない穴」を埋めている。夜に当直勤務をし、その翌日すぐ外来診察をして、手術もする。慶尚北道のある大学医学部教授は「ほぼ一日中、病院にいる。スポーツに例えれば、監督が再び現役選手に戻るようなものなので疲れがひどい。患者を診ることが一番重要だと考える医師が多ければと思う」と言った。

 ソウル大学病院の救急救命室でも教授や後期研修医たちが当直を組み、心停止などの重症患者・救急患者を受けている。ソウル市内の大学の救急医学科教授は「初期研修医が復帰していない状況で、後期研修医まで契約を延長せずに現場を去れば、救急患者の対応に耐えきれるか心配だ」と話した。京畿道のある総合病院では、職場を去った初期研修医の一部が電話で応急措置として処方を出しているという。

 初期研修医の間では、依然として「韓国政府が『医大・医学部2000人増員』という方針を白紙撤回しない限り、現場に復帰できない」というムードが強い。しかし、一部の初期研修医には「復帰して患者を診るべきではないか」という見解もある。忠清南道のある総合病院の初期研修医は「フリーライダー(無賃乗車する人)にはなりたくなくて退職届を提出したが、同僚たちに内緒で勤務したり、電話で遠隔処方をしたりしている」と告白した。

 一部の医大生たちも「(こうした動きに同調した医大生による)『同盟休学』は強圧的な方法で行われてはならない」としている。ソウル大学医学部の匿名掲示板には先日、「(同盟休学に関連して)学生会の指示には無条件で賛同をお願いする」という書き込みが掲載された。そして、「『休学はあえてしなければならないのか?』『私がやるからと言って何か変わるのか?』などの姿勢の学生はいてはならない」「初期研修医の先生方もすべてを失って闘っているのだから、力添えしなければ」とも書かれていた。ところが、この投稿文の下には「勧誘やお願いではなく、軍隊式の上下関係を基盤とした強要と思われる可能性があるだろう」「変化のためには行動が必要だが、その行動が自分自身の問題意識からではなく、他者からの圧力によってなされるならば、望ましい形なのか疑問だ」というコメントが寄せられていた。

チョ・ベッコン記者、オ・ユジン記者、カン・ジウン記者

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