▲イラスト=パク・サンフン

 慶尚北道安東市内のある女子高校で、生徒の母親と非常勤講師が試験問題用紙を盗んだ事件と関連し、生徒が警察に「(試験問題がまったく同じなので)何かが間違っているということは分かっていたが、盗んだものであることは知らなかった」と言ったことが分かった。成績が全校1位だというこの生徒は、盗んだ試験問題なしに受けた数学の試験では40点しか取れなかったという。

【写真】学校に侵入して試験問題を入手…共犯とみられる40代の保護者

 警察は今月16日に生徒を立件し、取り調べている。生徒は、母親(48)と非常勤講師(31)が盗んだ試験問題用紙で試験を受けた疑いが持たれている。

 生徒の母親と非常勤講師は今月4日午前1時20分ごろ、学校の教務室に無断侵入し、期末試験の問題用紙を盗もうとして摘発された。校内の警備システムが反応して鳴り、2人は慌てて逃走したが、翌日警察に逮捕された。

 警察が17日に明らかにした所によると、生徒は中学生だった2020年から非常勤講師に家庭教師をしてもらっていたという。そして、生徒が高校に入学した2023年、非常勤講師は生徒の担任になった。

 警察は、非常勤講師が2023年から試験問題用紙を持ち出し、母親に渡していたとみている。 非常勤講師が同校を退職した昨年以降は、母親と非常勤講師が一緒に試験問題用紙を盗んでいた。警察関係者は「母親は試験問題用紙そのものや、試験問題用紙を撮影した写真を生徒に渡していた」と話す。非常勤講師は昨年2月に退職したが、校内警備システムに指紋が登録されており、自由に学校に出入りしていた。今は京畿道内の高校で非常勤講師として勤務しているとのことだ。

 母親は試験問題用紙を盗むたびに非常勤講師に手数料を送金していた。警察は「口座を追跡したところ、送金額は1回に数百万ウォン(数十万円)ずつ、計2000万ウォン(約210万円)を上回る」としている。

 生徒は同校の3年生で受験を控えており、トップクラスの成績を保っていた。同校の教師と保護者たちは「全校1位だった」と話す。

 しかし、盗んだ試験問題用紙を見ずに受けた4日の期末試験で、生徒は数学が40点、倫理が80点だった。同校の関係者は「普段はほとんど満点で、間違えても1問くらいなので、とても信じられなかった」と話している。生徒の成績が明らかになると、保護者たちは「これまでの全校1位という成績は全て不正によるものだったのではないか」と言った。

 同校では14日、学業成績管理委員会を開き、生徒に対して退学処分決定を下した。これまで受けた試験の成績もすべて0点として処理された。母親は同校運営委員会の委員で、生徒の父親は医師だという。同校の保護者たちは「母親は娘を医学部に入れようとしていたのだろう」と話す。このほど、裁判所から拘束令状を発行されたため、母親と非常勤講師は身柄が拘束された。

安東=クォン・グァンスン記者

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