社会総合
韓国人徴用被害者 名古屋で東南海地震犠牲者の友人ら哀悼
【光州聯合ニュース】日本による植民地時代に徴用され労働を強いられた韓国人被害者のチョン・シニョンさん(95)が7日、名古屋市内で開かれた東南海地震(1944年)の犠牲者追悼式典に出席し、地震で亡くなった徴用被害者を哀悼した。徴用被害者を支援する韓国の団体「日帝強制動員市民の集まり」が同日、明らかにした。
式典が開かれた同市内の病院の敷地内にある追悼碑には地震で亡くなった59人の名前が刻まれているが、その中にはチョンさんと一緒に徴用され、働いていた6人の少女の名前も含まれている。
チョンさんは車いすから立ち上がり、追悼碑に刻まれた名前をなでながら友人たちをしのんだ。
14歳だった1944年5月に三菱重工業名古屋航空機製作所に徴用されたチョンさんは、同年12月に発生した東南海地震で被災。45年10月に出身地の全羅南道羅州に戻ったが、日本にいたという理由で偏見と非難にさらされなければならなかった。
チョンさんは2020年に三菱重工業を相手取って損害賠償訴訟を起こしたが、これまでに受け取れたのは厚生年金の脱退手当金名目のわずか99円だった。
日帝強制動員市民の集まりの李国彦(イ・グクオン)理事長は「(徴用被害者が亡くなった)惨事は自然災害に触発されたが、戦犯企業である三菱の強欲と暴力が悲劇を拡大させた」と批判した。