世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関係者から「(与党)共に民主党の元議員・現議員にも金品を渡した」という供述を得ても関連捜査をしなかった疑惑が浮上している閔中基(ミン・ジュンギ)特別検察官(特検)に対し、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が26日、家宅捜索を行った。1週間前に関連捜査を引き継いだ公捜処が特検捜査期間終了二日前に強制捜査に着手したものだ。

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 公捜処捜査第4部(車政炫〈チャ・ジョンヒョン〉部長検事)は同日、ソウル市鍾路区のKT光化門ビル・ウエストにある閔中基特検事務室に捜査官を送り、特検の旧統一教会関連捜査資料などを確保した。公捜処が裁判所から発付を受けた家宅捜索令状には、閔中基特検が被疑者として記載されていたという。ただし、閔中基特検の自宅や携帯電話などは家宅捜索の対象に含まれていなかったとのことだ。

 公捜処は、閔中基特検が尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)元世界本部長=逮捕・起訴済み=の金品提供に関する供述を得ていたのにもかかわらず、4カ月間にわたりこれといった措置を取らなかった経緯と違法性の有無を確認するものとみられる。このため、公捜処が特検関係者に対し追加で家宅捜索や召喚調査を行う可能性もある。

 閔中基特検の旧統一教会担当捜査チームは、野党・国民の力所属の権性東(クォン・ソンドン)議員と「乾津(コンジン)法師」こと呪術師チョン・ソンベに請託のため金品を渡した容疑が持たれている尹鍈鎬・元世界本部長から「2018年から2020年にかけて、共に民主党の田載秀(チョン・ジェス)議員と林鍾聲(イム・ジョンソン)元議員ら与党議員にも数千万ウォン(数百万円)台の金品を渡した」という供述を得た。今年8月、特検が尹鍈鎬・元世界本部長に事情聴取した時のことだった。しかし、このような供述を得たとの報告を受けた閔中基特検と担当特検補は「特検法上、捜査対象ではない」と言い、捜査に消極的だったという。

 特検は尹鍈鎬・元世界本部長が自身の裁判でこうした事実を明かして騒動となるや、供述確保から4カ月後の今月9日、関連記録を警察庁国家捜査本部に通知した。国民の力は閔中基特検や特検補らを職務放棄容疑で11日に警察に告発したが、警察は「(捜査対象である)検事は関連法により公捜処が捜査しなければならない」として16日に事件を公捜処に移した。これに対して公捜処は19日に事件を引き継ぎ、23日には尹鍈鎬・元世界本部長をソウル拘置所で接見調査した。

ユ・ヒゴン記者

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