社説
国民の力・権性東議員に一審懲役2年、同じ容疑の共に民主・田載秀議員は堂々と出馬【1月29日付社説】 旧統一教会政治献金疑惑
韓国最大野党・国民の力所属の権性東(クォン・ソンドン)議員が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側から1億ウォン(約1100万円)を受け取ったとして、一審裁判で懲役2年を言い渡された。権性東議員の旧統一教会金品授受疑惑は閔中基(ミン・ジュンギ)特別検察官(特検)チームの捜査で明らかになった。しかし、閔中基特検は昨年8月、旧統一教会のユン・ヨンホ元世界本部長から「田載秀(チョン・ジェス)議員ら与党・共に民主党関係者にも金を渡した」という供述も確保していた。旧統一教会から金品を受け取ったという権性東議員と同じ容疑だ。ユン・ヨンホ元本部長は田載秀議員に現金4000万ウォンと高価な時計を渡したとし、渡す過程も具体的に説明した。「2017年から2021年まで国民の力より共に民主党と近しかった」とも語った。共に民主党関係者との癒着が十分に疑われる状況だ。ところが、閔中基特検は共に民主党関係者に対する捜査はしなかった。
【写真】出頭する田載秀議員
その間、田載秀議員は海洋水産長官を務め、同部(省)の釜山移転で陣頭指揮し、次期釜山市長有力候補に浮上した。ところが、田載秀議員の金品授受疑惑が昨年12月、メディアで報道され、同議員の出馬は事実上難しくなったかと思われた。李在明(イ・ジェミョン)大統領も「政界と宗教界の癒着関係を徹底的に根絶せよ」と指示した。
だがその後も田載秀議員の疑惑捜査は何ら進展していない。政教癒着を捜査する検察・警察合同捜査本部は、国民の力を標的にして新興宗教「新天地イエス教証しの幕屋聖殿(新天地)」の捜査に集中するばかりで、共に民主党の旧統一教会関連疑惑には手をこまねいているようにみえる。旧統一教会施設に対する家宅捜索だけを繰り返しているが、捜査する振りをしているように思える。
そうした中、長官職を辞任した田載秀議員がこのほど、活動を再開した。自身の名前と顔写真が入った横断幕約100枚を釜山全域に出したのだ。メディアとのインタビューでは「地方選挙で釜山市長に出馬すると最終決定することになれば、旧正月(2月17日)前後に出馬するだろう」と言った。事実上の選挙運動を開始したのだ。同じ容疑が持たれている野党議員は拘束起訴されて懲役刑を言い渡された一方、与党議員は選挙にまで出馬すると明らかにした。閔中基特検の偏った捜査に対する高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の捜査もいったい何をしているのかほとんど消息がない。これまでも不公正捜査や偏向捜査はあったが、このように露骨に堂々とやるケースは見たことがない。