▲ソウル市瑞草区のソウル中央地検。/写真=ニュース1
公訴庁法・重大犯罪捜査庁(重捜庁)法などにより、今年10月に韓国検察の捜査権は廃止される。検事が犯罪を究明しようと思っても、捜査はできなくなるのだ。だが第一線の検察からは、民生事件などに関する検事の捜査機能は既にまひしているという声が上がっている。各種特別検察官(特検)や合同捜査本部(合捜本)への派遣などによる検事の不足で、未済事件が山のように積み上がっているのだ。退職する検事も増えており、残っ..
続き読む
▲ソウル市瑞草区のソウル中央地検。/写真=ニュース1
公訴庁法・重大犯罪捜査庁(重捜庁)法などにより、今年10月に韓国検察の捜査権は廃止される。検事が犯罪を究明しようと思っても、捜査はできなくなるのだ。だが第一線の検察からは、民生事件などに関する検事の捜査機能は既にまひしているという声が上がっている。各種特別検察官(特検)や合同捜査本部(合捜本)への派遣などによる検事の不足で、未済事件が山のように積み上がっているのだ。退職する検事も増えており、残った検事たちの間からは「検察は既にまひ状態」という声も出た。
【表】検事が足りない…各地検の平検事定員と実際の人数
大田地検天安支庁の安美賢(アン・ミヒョン)副部長検事は25日、フェイスブックに「破産支庁」というタイトルの書き込みを行った。安検事は、定員30人の天安支庁において現在の平検事の人数は12人だとし「残りは特検、政教癒着疑惑検警合同捜査本部など、各種の名目でどこかに行ってしまった」とつづった。
天安支庁が管轄する忠清南道天安市・牙山市の人口はそれぞれ71万人と40万人。天安支庁は、人口の合計が111万人を超える2都市で発生する刑事事件被疑者の起訴、司法警察官が申請した令状の裁判所への請求、起訴した事件の公訴維持と国家訟務業務などを担当する。正常であれば平検事30人でも大変なのに、12人で手分けしているのだ。
天安支庁の平検事12人のうち、半数を超える7人は初任検事だ。業務の熟練度の低さは否めない。その12人さえも、2人が辞表を出し、今月中に検察を去る予定だ。出産間近の別の検事1人は、来月から休職する。検事の人数が定員の3分の1にも満たなくなるのだ。
安検事は「捜査検事1人当たりの未済はとうに500件を突破した」とし「令状業務を担当する日には一日中令状申請記録ばかり見て終わり、平日の残業と週末の出勤をしてもこなせない」と記した。1年前の時点では、天安支庁の未済事件は検事1人当たり200件という水準だったのに、倍以上に増えたのだ。
今年10月に韓国検察が78年の歴史を終えて廃止されたら、重捜庁と警察が捜査を、公訴庁が起訴を担当することになる。残る争点は、検事の補完捜査権を維持するかどうかだ。警察などが送致した事件の捜査がきちんと行われたかどうか検事が補完するという線で捜査権を認めるのが、補完捜査権。だが与党内の強硬派は、補完捜査権すら無くすべきだと主張している。
安検事は「検事も息がつけるよう、(補完捜査権も)いっそ全て取り上げてほしい」と述べた。「(与党が)補完捜査権を残す可能性は極めて低いが、残しておいたとしてもこんなに駄目になった状況ではできない」という。検察が既に機能まひ状態に至ったありさまでは、補完捜査権が残ったとしても役割を果たすのは困難、と言っているのだ。
他の検察庁も事情は似ている。水原地検の現在の平検事は49人で、定員(99人)の半分程度だという。水原地検は京畿道水原・竜仁・華城・烏山の各市を管轄し、韓国国内の地検の中では、管轄する人口が最も多い。管轄地域内にはサムスン電子、ハイニックスなど先端企業もある。ところが水原地検で公職・企業・凶悪事件や産業技術犯罪を担当する平検事はたった4人。韓国第2の都市・釜山を管轄する釜山地検も、平検事の数は定員(71人)の54.9%、39人だ。
一線の検察庁のマンパワーが途方もなく不足し、未済事件が急増した背景としては、特検・合捜本への検事派遣が挙げられる。法務部(省に相当)によると、2025年現在で五つの特検に派遣されている検事は計67人だ。内乱・金建希(キム・ゴンヒ)・殉職海兵の3大特検(54人)と常設特検チーム(2人)は捜査期間が終わったが、一部の検事が残って裁判など公訴の維持を担当している。第2総合特検にも検事およそ10人が派遣された。検事1人が外部に派遣されたら、検察内部に残った検事たちは、未済事件を数百件ずつ再割り当てされて捜査することになる。検察内部からは「政権首脳部の意志が込められた捜査を担当する特検と合捜本に検事たちが派遣され、民生事件が後回しになっている側面もある」という声が上がった。
検察を離れる検事が増えたことも原因だ。昨年の退職検事は、検事全体(およそ2100人)の8%を超える175人だった。22年から24年までの140人台より多い、過去最高の水準だ。今年に入ってからも、2月末までの時点で検事50人が辞職した。次長検事出身のある弁護士は「検事が自分の役割を果たせなくなったら、その被害が国民に跳ね返ってくることは避けられない」とし「このままでは与党が主張する検察改革も失敗しかねない」と語った。
ユ・ヒゴン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com