外換カードの株価を操作した容疑で起訴されているローンスター・コリアの柳会源(ユ・フェウォン)代表に対し、懲役5年の実刑判決が下された。同じ容疑で起訴されている外換銀行の法人や同銀行の筆頭株主であるLSF-KEB(ローンスターファンド・韓国外換銀行)ホールディングスについても、それぞれ250億ウォン(28億2000万円)の罰金刑が下された。
柳代表は2003年に外換銀行が系列会社の外換カードを合併した際、合併に必要な費用を抑えるため、外換銀行の筆頭株主であるローンスターの役人らと共謀し、偽の外換カードの減資計画を発表し、株価が下落するようし向けた容疑が持たれている。外換カードの一般株主らは虚偽の減資計画が発表された後、株価の下落により計124億ウォン(約14億円)の損失を負った。
裁判所は「ローンスターが外換銀行の理事として選任した柳被告ら4人は、外換カードが減資を実行できる状態にないことを知りながら、(減資計画について)検討も行わないまま、株価を下落させ、自分たちの利益のために減資説を流布しており、これは詐欺行為に当たる」との見方を示した。一方、株価操作の共犯である外国人3人は検察の召喚に応じず、起訴されなかった。
今回の事件はローンスターをめぐる疑惑の核心である、外換銀行の不適切な売却価格とは直接関係のない事案だ。同問題については、現在別途に裁判が行われている。
問題は、一連の疑惑がどういう結論に至ろうとも、ローンスターに対し実質的な処罰を加えることが難しいことにある。外換銀行が不当に安い金額で売却された問題でローンスターの有罪が確定し、ローンスターが外換銀行の株主としての資格を喪失すれば、10%以上にのぼる同社の持ち株は強制的に処分させられることになる。
ローンスターはこれまで、配当金や所有株式の一部の売却益として、全投資金額2兆1548億ウォン(2430億円)の85%を回収している。残りの持ち株を処分すれば、最終的に6兆ウォン(約6800億円)の利益を上げることが予想されている。そうなれば、裁判所の判決は結果的に、外換銀行を売り渡して撤退しようとしているローンスターの計画を助ける形となってしまう。
ローンスターはこれまで、外換銀行の買収過程における違法行為や外換カードの株式操作に関する疑惑をすべて否定している。それどころか、監査院の監査や検察の捜査について「韓国に存在する反外国企業の雰囲気により、対韓投資はいっそう困難になるだろう」とし、脅迫めいた主張を行った。株価操作といった重大犯罪を犯したにもかかわらず、検察の捜査に応じないだけでなく、韓国で不当な扱いを受けているといった主張を繰り広げているのだ。
ローンスターのこうした態度によって、韓国が負った被害は計り知れない。この事件は、外資誘致が重要であることはもちろんだが、その相手を見きわめるとも同じくらい重要であるという教訓を与えてくれた。