中国当局が18日、カナダの人気歌手ジャスティン・ビーバーさん(23)の中国公演について、「素行不良」を理由に不許可にしたことを明らかにした。ビーバーさんの公演を推進していた北京市文化局は同日「ジャスティン・ビーバーさんは素晴らしい歌手だが、(言動に)議論のある歌手でもある。彼の普段の生活はもちろん、過去に中国を訪れたときの行動も(中国の)大衆の反発を招いたことがある」と説明した。さらに「中国の公演市場の秩序を維持し、公演環境を浄化するためにも、素行不良のアーティストは受け入れられない」とした。その上で「ビーバーさんが成熟し、言動を改めて大衆に愛される歌手になることを願う」とコメントした。
北京市当局はビーバーさんの「素行不良」の具体的な内容については言及しなかった。これについて米紙ワシントン・ポストと英紙ガーディアンは「2013年にビーバーさんが公演のために中国を訪れた際、万里の長城でボディーガードの肩に担がれて長城の階段を上る様子がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で公開され、物議を醸したことが問題視されたのだろう」との見方を示した。中国にとって最も誇らしい遺跡でふざけた振る舞いをしたことが問題だったというわけだ。一方、英国BBCは「ビーバーさんが14年に日本で靖国神社を参拝したため」と報じた。当時、中国外務省は「ビーバーさんが日本の軍国主義の歴史を知っていれば、決して靖国神社を訪れることはなかっただろう」とコメントしていた。ビーバーさんは謝罪したが、中国の怒りを収めることはできなかった。ビーバーさんは9月から10月にかけ、中国の北京と上海をはじめ、日本・フィリピン・香港などを回るアジア・ツアーを計画している。中国は過去にも人気スターの中国公演を「反中傾向」を理由に不許可にしている。