【萬物相】みんな「許京寧」

【萬物相】みんな「許京寧」

 「知能指数(IQ)430」で「空中浮揚能力を持つ」という許京寧(ホ・ギョンヨン)氏は2007年の大統領選挙公報にブッシュ米大統領=当時=と一緒に写っている合成写真を掲載して、「ブッシュ就任晩さん会に韓国代表として出席した」と言った。自身のことを「李秉チョル(イ・ビョンチョル)サムスン会長(創業者)の養子」であり、「朴正熙(パク・チョンヒ)大統領政策補佐役」を務めたとも言った。大統領選挙後、虚偽事実の流布で1年6カ月の実刑判決を受けた。許京寧氏はトランプ大統領当選後も同大統領と並んで立って親指を立てている写真を出した。許京寧氏は「トランプに会って韓半島の戦争を防いだ」と主張している。

 許京寧氏は大統領選挙公約に「結婚手当1億ウォン(約900万円)、出産手当3000万ウォン(約270万円)」「60歳以上は月70万ウォン(約6万円)」「国会議員を100人に縮小」「山参(野生の高麗人参)ニューディールで1000万人の雇用創出」などを掲げた。ところが、このような荒唐無稽(むけい)さがかえって既成の政界に対する一般の人々の嫌悪や「B級ユーモア思考」と合致し、許京寧氏はインターネット上で長年、人気のある人物になっている。同氏は今回も「国家革命配当金党」という政党を作って総選挙に出馬した。

 数年前から、インターネット上では「許京寧再評価」という風刺の書き込みが時々見られる。面白がっていたが、いつからか大韓民国が実際にその方向に向かっていっているというのだ。金額は違うが、高齢者手当や自治体の出産奨励金は既に導入されている。「国会議員100人」なども大統領選挙時の主要候補の公約に登場した。財源を考慮せずに現金をばらまくという政策、あらゆる問題を解決してやるというバラ色の約束が横行していることから、「許京寧と似たり寄ったりだ」という声が上がるのも無理はない。

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