韓国でダイエット薬服用急増…うつ病・胎児奇形など長期服用による副作用の懸念も

 「朝から夜まで動悸(どうき)がひどいんです。誰かに胸を押さえ付けられているような感じもします」

■2020年世界幸福度ランキングで韓国61位…最も幸せな国は?

 インターネット上でよく見かける、ダイエット薬服用者の感想だ。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う「巣ごもり」生活で太る人が増え、ダイエット薬を飲む人が増えている。しかし、ダイエット薬の長期服用により副作用が出るケースも増えていることが分かった。

 韓国野党・国民の力所属のイ・ジョンソン議員が6日、食品医薬品安全処から受け取った「麻薬類肥満薬(ダイエット薬)処方資料」によると、ダイエット薬を処方された人の1人当たりの日数は、2018年下半期(7-12月)は平均81.8日分だったが、2019年は116日分、2020年には112.3日分だという。ダイエット薬を服用する人が増え、代表的なダイエット薬のフェンテルミン、フェンジメトラジン、フェンテルミン・トピラマート配合剤などの供給も2018年の2億4128万個から2019年2億4812万個、2020年2億5665万個と増加傾向にある。

 問題は、ダイエット薬がさまざまな副作用を引き起こす可能性があるということだ。医薬品安全管理院に届出があったダイエット薬(麻薬類食欲抑制剤)処方後の異常事例件数は2019年の1399件から昨年は1523件に増加した。特にフェンテルミンやフェンジメトラジンなどは交感神経を興奮させるため、動悸や血圧上昇などを訴えるケースが少なくないというのが専門家たちの説明だ。また、長期間服用すると、心血管系疾患やうつ病などさまざまな副作用が現れ、うつ病が悪化すれば自殺衝動を引き起こす恐れがあるという。このため、食品医薬品安全処の「医療用麻薬類食欲抑制剤安全使用基準」では、ダイエット薬の処方は4週間以内とし、追加処方が必要でも総処方期間は3カ月を超えないよう定めている。

 東国大学医学部のオ・サンウ教授は「ダイエット薬の服用期間中に手が震えたり、不眠症になったりする人は、交感神経が特に敏感だと思われるので、服用を中止した方がいい」と話す。また、血圧が非常に高い人にはダイエット薬が危険なこともあるので、注意しなければならない。また、フェンテルミン・トピラマート配合剤のダイエット薬を妊婦が服用する場合、胎児の奇形を引き起こす恐れもあるため、この種のダイエット薬を服用する場合は妊娠検査をした上で服用すべきだと専門家はアドバイスしている。

金成謨(キム・ソンモ)記者

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