ソウル市議会、市長に発言中止・退場を命じることができる条例案可決

 ソウル市議会が呉世勲(オ・セフン)ソウル市長による発言を封じるため、議長が市長に発言中止、退場を命じることができる条例案を可決したことを受け、ソウル市は2日、報道官名義の論評を出し反発した。ソウル市は「市議会が市長の正当な討論機会を剥奪しようとするものだ」と主張した。

 共に民主党はソウル市議会で全110議席のうち99議席を占めており、昨年12月31日の本会議で議長の許可を受けていない市長の発言を中止させることができる条項を盛り込んだ「ソウル市基本条例」一部改正案を可決した。それによると、市長、教育監(教育長に相当)などの幹部公務員が本会議や委員会会議で議長や委員長の許可なく発言した場合、議長または委員長が発言を中止させたり、退場を命じたりできる。退場を命じられた公務員は議長、委員長の命令で謝罪しなければ、会議に出席できない。改正条例は1月13日から施行される。

 これに先立ち、条例案は昨年12月21日に市議会運営委員会で可決された。当時市議会のキム・ジョンテ運営委員長は「市議会の本会議での市政質問で呉市長が質疑方式に抗議して退場する事件があった。公務員が議会を尊重するように関連規定を改正した」と説明した。呉市長は昨年9月3日、市議会での市政質問の途中、民主党の李京洗(イ・ギョンソン)市議が呉市長のユーチューブチャンネル「呉世勲TV」について、市幹部にだけ質問し、市長に答弁機会を与えないまま質問を終えたことに反発し、議場を退場した。

 ソウル市の李昌根(イ・チャングン)報道官は2日の論評で、「圧倒的な議席数で行政府と市議会のけん制とバランスを一挙に崩壊させた市議会の暴挙だ」とし、「今回の条例改正はけん制とバランスの原則を損ね、行政府の上に君臨しようとする権威的な大クギだ」と主張した。李報道官はまた、「議会は市民を代表し、行政府の政策を批判することはできるが、市長が発言する自由まで制限する権限はない」と指摘した。

 市議会のキム・ジョンテ運営委員長は声明を出し、「行政首長の強大な行政力を動員し、議会を無視または軽視してきた事例は計り知れないほど多い。首長に対する発言中止、退場の規定はそうした事態を防止し、首長の議会尊重を制度化する措置の一環だ」と反論した。

アン・ジュンホ記者

チャン・クンウク記者

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