「人間よりも速かった」…スイスのAIロボット犬、海抜1098Mの山を転倒せず登頂(上)

「人間よりも速かった」…スイスのAIロボット犬、海抜1098Mの山を転倒せず登頂(上)

 1月初めに米ラスベガスで開催された世界最大のハイテク技術見本市「CES2022」で、現代自動車グループの鄭義宣(チョン・ウィソン)会長がボストン・ダイナミクスの4足歩行ロボット犬「スポット」と共に登場した。鄭会長は「毎日スマートフォンを持ち歩くように、いつかは誰でもスポットを連れて歩く時代がやって来る」と述べた。

 ロボット犬が進化している。科学者たちは、ロボット犬の商用化の速度を速めるため、さまざまな研究を行っている。速度や力が増し、人工知能(AI)まで結合したことで、さらに賢さを増している。近い将来、ロボット犬が日常で人助けをしたり、仕事を代わりに遂行したりといったことも期待されている。

■人工知能で地形に合わせて歩行

 中国国営CCTVは最近、中国の科学者らが開発したロボット犬「ヤク」(YAK)を公開した。中国のマスコミは「世界で最も大きくて重く、厳しい環境下でも作動する軍用ロボット犬」と説明した。大きさは成人男性の身長の半分程度である。

 ロボット犬「ヤク」は、最大160キロの荷物を載せ、時速10キロで走ることができる。ロボット犬には、周囲の地形や環境を感知できるセンサーが搭載されている。泥道、雪原、階段など、さまざまな地形に配備される。また、ロボットは12の関節を持ち合わせることで、前後の移動や全力疾走、跳躍など多様な行動をこなすことができる。ヤクは、一般車両の走行が困難な高原や砂漠、森に軍需品を補給することができ、偵察による情報収集もできるとCCTVは報じた。

 AIと結合することで、ロボット犬はより利口になった。スイスの連邦工科大学チューリッヒ校のマルコ・フッター教授が率いる研究陣は「ロボット犬『アニマル』(ANYmal)が海抜1098メートルのエッチェル山の頂上まで登るのに、人間よりも速かった」と1月19日、国際学術誌『サイエンス・ロボティクス』で明らかにした。研究には、KAIST(韓国科学技術院)機械工学科のファンボ・ジェミン教授も参加した。

 アニマルは頂上近くの海抜978メートル地点から出発し、一度も倒れたり滑ったりすることなく、31分で頂上まで登り詰めた。一般の登山客より4分速かった。フッター教授は「ロボットはカメラで捉えた周辺環境の視覚情報を足の触覚と結合し、AIで学習した」とし「これにより、険しい道のりをより速く効率的に走破することができた」と説明した。

 通常ロボット犬はレーザーやカメラで周辺情報を収集する。そのため、茂みや水たまりのような場所は障害物と認識して回り道することになる。土ぼこりや霧にも視野が遮られる。今回はAIを通じて視覚情報と足から感じる触覚を結合することで学習し、限界を克服したのだ。

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