▲朝鮮日報は光復37周年に当たる1982年8月15日付総合1面に社告を載せ、「克日キャンペーン」を始めた。/写真=朝鮮日報DB

■「大学の質・競争力を高めてこそ産業高度化は可能」

 イ教授はこのように明かした。

 「日本にないクーパン・カカオ・ネイバーのような大手ICT(情報通信技術)企業や、金融・ソフトウエア・設計・法律など付加価値の高い知的情報産業を育てなければならない。そのためには、米国の大学に次ぐ秀越性(excellence)が韓国の大学にあるべきだ。自律と革新、競争が大学で花開いてこそ、天才級の英才やユニコーン企業(市場価値10億ドル〈現在のレートで約1330億円〉以上のスタートアップ〈新興企業〉)が登場する」

-すぐそばに日本があるというのは、韓国にとっては幸運なのか、不幸なのか?

「日本によって植民地にされ、韓国が被害を受けた側面もある。しかし日本はアジアの国の中で唯一、近代化に成功して帝国を建設し、高度成長も真っ先に実現した。韓国は日本を鏡として、良い面は素早く学び、悪い面は避けることができた。韓国にとって『正面教師』にして、『反面教師』でもある日本がそばに存在することは、そういう点で大きな祝福だ」

■「日本の法治とプロ意識に学べ」

-韓国がまだ日本に学ぶべき点があるとしたら?

 「二つ挙げたい。まず、予測可能性だ。日本は『人』ではなく『法』と『システム』で動く社会だ。数カ月後くらいでもすぐ変わってしまう予測不可能な韓国とは違う。韓国が真の先進国になるつもりなら、規則とシステムで動く社会にならねばならない。もう一つは職人精神、プロフェッショナル意識だ。スペシャリストなきゼネラリストだけでは一流国にはなれない。平均主義、平等主義を超え、一分野に熱中するオタクのような天才級の人材が多く、こうした人材が思う存分没頭して成果を出すとき、社会が質的に跳躍する」

-韓国では、日本について肯定的な話すら持ち出せない雰囲気だ。

 「韓国国内に親中、親米という単語はあっても、親日は使えない。知日より克日で使用合意がなされているほどだ。日本の長所を語ると『イルポン(日本礼賛論者)』『土着倭寇』と烙印(らくいん)を押す。最近は『無条件のクッポン(韓国礼賛)主義者』がかなり大勢増えた。『外国にも韓国ほどの先進国はないよな』という彼らの主張が狂っているわけではないが、ややもすると、韓国の強みである躍動的なエネルギーを封印するのではないかと心配だ。韓国は先進国グループの末席にようやく一つの居場所を得たところなのに、もう山の頂上に立ったかのように行動している気もする」

-「先進国韓国」は日本とどのように相対すべきか?

 「韓日関係を解きほぐすカギは、二者関係から抜け出して多者関係の枠組みから眺めることだ。韓国は世界10大経済大国、7大通商大国、6大軍事強国だ。韓国は日清戦争や日露戦争時の朝鮮のような『将棋の駒』ではない。今は韓国が『将棋を指す』立場で周辺諸大国との関係を調整し、組み立てなければならない」

■「1対1ではなく22分の1で日本に対すべき」

 イ教授はこう語った。

 「自ら『将棋を指す』立場になると、韓国が抱える悩みのスケールは今よりはるかに大きくなる。『先進国として今後新たな通商秩序をどのように先導するのか?』『価値を共有する国々と安定的なグローバル・サプライ・チェーンをどのように構築するのか?』といった問題に悩むことになる。韓国外交の中心だった4大国とASEAN(東南アジア諸国連合)はもちろん、中東・アフリカ・南米に対する世界戦略を全体的に立て直さなければならない。インド・太平洋戦略の韓国バージョンも考えてみるべきだ」

-日本に対する過度な関心を減らそうということか?

 「正確な指摘だ。主要先進国である韓国も地球を見下ろす立場で外交をしなければならない。そのように見ると、日本は世界22先進国中の1国でしかない。1対1ではなく22分の1で日本を眺めるべきだ。韓国の対ASEAN戦略、欧州戦略、中東戦略、中国戦略という脈絡から、日本と協力したり競争したりする分野を定め、具体的な案を導き出さなければならない」

宋義達(ソン・ウィダル)エディター

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