▲イラスト=UTOIMAGE

 9日午後、ソウル地下鉄2号線の梨大駅1番出口から新村まで約250メートル続く大通りには、道端の至る所にごみの山ができていた。「テナント募集」の紙が貼られた空き店舗の前には、チキンの空き箱、食べ残しのカップ麺、コーヒーの使い捨てプラスチックカップ、冷えて固まったトッポッキ、ソースがべったり付いた紙皿が背の高さまで山積みになっていた。

【写真】廃墟ビルの前にごみの山…段ボールを漁る高齢者も

 近くの商業ビルの前には、すぐ横の焼き肉店が出したとみられる焦げ付いた焼き網数十枚と、焼酎の空き瓶が入った多数の箱が無造作に積み上げられていた。70代ぐらいのお年寄りがごみの山の中から段ボールごみを選んで持っていった。延世大4年生のチョ・ヒョンウさん(24)は「本当にこの新村・梨大の街が『青春の街』と言われていたのか」「ごみの山から悪臭が漂ってくるので学校の近くは歩きたくない」と話した。

 明洞、狎鴎亭洞と共に、ソウルの「3大黄金商圏」と呼ばれていた新村・梨大エリアのメインストリート沿いが、「ごみ置き場」と化している。新村・梨大エリアの商圏は、2008年に梨花女子大が構内に映画館・コンビニ・飲食店の入るマルチプレックスを造成し、2010年に延世大が新入生全員を仁川・松島の国際キャンパスに移して以降、衰退し始めた。ここ数年、ネット注文・デリバリー文化の急速な広がりによって消費トレンドが大きく変化したが、その流れに対応できなかったことが打撃となった。

 テナントが入っていないガラガラの商業ビルが増えると、観光客や通行人たちがそこにごみを無断でどんどん捨てるようになった。本紙の取材チームが先月31日から最近までこの場所を何度も訪れたところ、ごみの山は徐々に高くなっていた。しかし、そのごみを片付ける人は誰もいなかった。

 真冬でも悪臭が漂うほどごみが山積みになっているのは、テナントの入らないビルのオーナーたちが、ビルの所有権を不動産信託会社に移転し、それにより「ごみの撤去」の責任が誰にあるのかが曖昧になったからだ。集合建物法によると、信託会社の管理する建物の前にあるごみについては、その収集責任は入居者らで構成される「管理団」にある。しかし、入居者がおらず空室状態が長期化しているため、大半のビルは管理団を構成できない。区庁は信託会社に「清潔維持命令」を出すことができるが、これに背いた場合に過料が科されるのはビルのオーナーではなく管理団であるため、実効性がない。専門家らは「商圏が衰退したことで、テナントが入らない場合に建物前の美化管理責任を誰が負うのかということを巡り、法的空白が生じている状況だ」と指摘した。

 周辺の商業関係者らは「ただでさえ商売にならなくて大変なのに、ごみまで山積みになり、本当に『死んだ街』になってしまった」と嘆いた。ごみが積み上げられた空き店舗近くでコンビニを経営するAさんは「昨年9月からごみの山ができ始め、少しずつ状況がひどくなってきて、ビルのオーナーに何度も苦情を入れたが『管理責任は信託会社にある』という答えが返ってきただけだった」と話した。また、別の空き店舗の近くで書店を営むBさんは「ごみの悪臭があまりにもひどいため、数日前に空きビルの正面入り口に『ごみの無断投棄禁止』と貼り紙をした」と話した。

 西大門区は「個人の商業ビルは私有地であり、その前にあるごみは商業ビル側が片付けるべき」との立場だ。西大門区の関係者は「ごみがあまりにも多いため、区庁は従量制のごみ袋に入ったごみを優先的に収集している」として「問題がこれ以上深刻になった場合、ビル前のごみを撤去した上で信託会社に費用を事後請求する形も検討している」と説明した。

 ごみが捨てられているスペースに区庁がごみ箱を設置すべきという指摘も出ている。しかし、一部の商業関係者は、ごみ箱が店の近くにあると客が寄ってこないため、ごみ箱の設置に懸念を示しているという。

チャン・ユン記者、チョン・ドンハ記者

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