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【社説】チョン・ユラ容疑者よ、自ら帰国して取り調べ受けよ

 一連の国政介入疑惑に関連して、崔順実(チェ・スンシル)被告(60)の娘チョン・ユラ容疑者(20)が1日夜、デンマークの住宅で現地警察に逮捕された。逮捕時には同容疑者と一緒に1歳の息子と逃亡を助けた人物たちがいたという。同容疑者に対しては梨花女子大学入試の正常な進行を妨害した疑いで逮捕令状が発行されている。

 大学2年生という世間知らずの年齢で国民の非難の対象になり、幼子と一緒に海外で逃亡生活をしているチョン・ユラ容疑者に対し、気の毒だという思いが全くないわけではない。しかし、同容疑者は国家的スキャンダルの渦中にいる当事者だ。何よりも、大学入試の公平性が同容疑者のために損なわれたのは事実だ。同容疑者よりも成績が良かった受験生2人は不当に低い点数をつけられて不合格になった。さらに入学後も、試験を受けていないのにもかかわらず単位を取り、これを隠すため教授の指示により助教が答案を代筆していた。サムスン・グループから受け取った乗馬関連の支援も尋常ではない。崔順実被告親子がサムスンから受け取った80億ウォン(約7億8000万円)は、大統領府が国民年金を動かし、サムスン物産と第一毛織の合併を助けてやった見返りではないかと疑われている。もしこれが事実ならば、国民の老後資金がチョン・ユラ容疑者のため使われたことになる。

 ところが、梨花女子大学やサムスンがなぜ崔順実被告親子に対し、そのような特別扱いをしたのか、その「つながり」がまだはっきりは解明されていない。当事者たちがほとんどの容疑を否認しているからだ。これらの問題は憲法裁判所で行われている大統領弾劾裁判の争点でもある。できるだけ早く前後の事情を解明しなければならない理由もそこにある。

 チョン・ユラ容疑者の送還が順調に進められるかどうかはまだ不透明だ。強制退去ではなく、犯罪人引き渡し請求手続きをすることになれば、かなり時間がかかる可能性もある。だが、時間をかければ解決するという問題ではない。自身をめぐる国家的混乱に関して国民に申し訳ないと思う気持ちがあるなら、チョン・ユラ容疑者は自分の足で帰国し、特別検察官の取り調べを受けるべきだ。本人のためにも、その方が良いだろう。

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