【コラム】韓国野球、ファンたちに責任はないのか

【コラム】韓国野球、ファンたちに責任はないのか

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2023の第1ラウンドを東京ドームで観戦することで、韓日野球のレベルの差を痛感することができた。それは単に選手の技量だけではない。ファンの態度も違っていた。特に、日本以外の国の試合を訪れる日本人の観客が少なくなかったという点が記憶に残る。主催者側は、海外チーム間の昼の試合と日本チームの夜の試合のチケットを1枚にまとめて販売した。日本人の観客は自国の試合時間に合わせて夕方に来そうなものだが、昼から球場に足を運び、外国人選手たちに拍手喝采を送った。

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 3月15日、キューバとオーストラリアの準々決勝には3万5061人が入場した。日本の試合のチケットが一緒に売られていない日だ。他国の試合なのに観客席を80%以上も埋め尽くした。他国の試合でこれほどならば、日本の試合は言うまでもなかった。チケット代が数百万ウォン(数十万円)にはね上り、球場の内外ではファンが6時間も並んで代表チームのグッズを買った。東京ドーム近くの飲食店には入場券を手に入れられなかったファンたちが集まって団体で観戦し、応援に熱を上げた。大会をまるで祭りのように感じていたわけだ。

 2017年、韓国でもWBCのグループ予選が行われたことがある。高尺スカイドームで韓国、イスラエル、オランダ、台湾が試合を行ったが、韓国の試合(1万7000席)も売り切れにはならず、他国の試合は平均入場者数が約3000人にとどまった。

 今大会が行われている間、韓国選手団はどこか元気がないように見えた。戦力からして「歴代最強」と言われた日本とは期待の度合いが違っていたのかもしれないが、選手団はもちろんのことファンの雰囲気も以前のようではなかった。選手団は世論の顔色をうかがって萎縮した。日本代表チームは開幕前に会食までして結束を高める余裕を見せた一方で、韓国チームは「失言すれば終わり」といった負担のためか、どんな質問にも「勝つ」という言葉だけを繰り返した。韓日戦の視聴率は地上波3社を合わせても11.7%と、40%を上回り続けた日本チームと比べると見る影もなかった。散々打ちのめされた挙げ句、ネット上の掲示板には嫌悪性の書き込みだけがあふれ返った。

 日本は2013年のWBCで3位になったことを失敗と捉え、代表チームの強化に入った。その後も屈辱の瞬間がなかったわけではない。2015年のプレミア12の準決勝では韓国を相手に9回逆転負けを喫した屈辱を味わい、2017年のWBCの準決勝ではエラーがたたって脱落した。それでも相変わらず「侍ジャパン(日本代表の愛称)」を見守り、応援と激励を惜しまなかったファンがいた。彼らは待つことを知っていた。今回のWBCを控え、日本代表チームの強化合宿が行われた宮崎、名古屋、大阪には多くのファンたちが詰め掛けた。

 韓国野球は今回、明らかに失敗した。戦力的には差があったものの、闘魂をむき出しにした過去とは違って無気力だった。ただ、スポーツにおける栄光の瞬間は永遠ではない。韓国野球が立ち直るためには、もちろん選手たちから覚醒しなければならない。しかし、これを裏付けるインフラは愛情に満ちたファンの視線から出ている。叱責(しっせき)cも必要だが、叱責だけでは刷新は行われないのだ。

キム・サンユン記者

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