釜山新空港構想を巡り、2016年に「東南圏新空港事業妥当性研究」の責任者を務め、金海空港の拡張案が最適だとする結論を示した空港設計専門家、ジャン・マリー・シュバリエ氏(75)は17日、本紙の電話取材に対し、「4年前に自分が下した結論が依然として最善であり、変更する理由はないと確信している」と述べた。シュバリエ氏は「仮に金海空港拡張案が保留され、加徳島空港を推進するとすれば、ナンセンスだと思う。韓国政府が空港建設を巡る技術的合理性よりも政治的な配慮を優先しないことを望んでいる」と語った。
シュバリエ氏は国土交通部の依頼を受け、東南圏新空港事業の妥当性検討を受注したパリ空港公団エンジニアリング(ADPi)のチーフエンジニアで、当時の検討作業の責任者だった。日本の関西空港、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ空港をはじめ、世界の主要空港プロジェクト50件余りを推進した空港設計・デザイン分野の権威だ。ADPiは世界3位の空港設計会社だ。
シュバリエ氏は「4年前に他の要素を一切排除したまま、数多くの現地調査を経て、技術的な見地で客観性だけに基づき、結論を下した。海外に委託して選択した検討結果を覆すならば、韓国の国際的な信頼度が傷つくことになりかねない」と続けた。
シュバリエ氏は「仮に加徳島に新空港を建設するならば、海上の台風が押し寄せる場所に位置しているため、航空機の離発着時の危険が増すという問題がまず浮き彫りになる」とした。建設費にも大きな差があるという。シュバリエ氏は「加徳島に空港を建設するには全体の80%を人工的に埋め立てなければならない」とし、「周辺の海の水深が深い上、険しい山を削らなければならないため、(同じ海水面埋め立て方式を採用した)香港チェクラプコック空港を建設した際よりも困難な工事になる」と指摘した。シュバリエ氏は4年前、金海空港の拡張費用を4兆3000億ウォン(約4050億円)、加徳島新空港の建設費用を10兆2000億ウォンと試算した。