【社説】基本的な倫理意識が欠如している韓国の医療現場

 ソウル市内の梨花女子大学木洞病院の新生児特定集中治療室で先月4人の未熟児が相次いで死亡したが、その原因が抗生物質が効かない耐性菌による敗血症だったことがわかった。感染ルートはこの病院内での院内感染だった。この病院では数カ月前にも新生児に投与していた輸液の容器から小さなハエが発見される事件が起こった。釜山大学病院ではある教授が昨年1年間で23回も先輩教授に代わって脊髄関連の手術を行ったとして摘発された。この教授は研修医らに常習的に暴行を加えているとして目をつけられていた人物だ。

 患者は麻酔を受けて意識を失うと、手術を行っているのが別途料金を支払って申請した医師なのか、あるいは全く別の医師なのか知る術はない。釜山大学病院側は「本来手術する予定だった医師は病院内におり、緊急時に対応できる状況だったので問題は無い」などと言い訳しているという。代理手術が一種の慣行として行われていた疑いもあるだろう。2年前にはサムスンソウル病院のある医師が海外の学会に出席し、後輩の医師に代理で手術をさせたとして摘発されている。

 韓国の医療技術は世界的なレベルにあり、中東やロシアなどから金持ちたちがわざわざ韓国に治療を受けにやって来るほどだという。ところが病院の現場では基礎的、基本的な倫理意識が欠如している。世の中で最も安全かつ清潔であるべき場所が病院だ。先進各国の病院では手術前に患者が入れかわることがないよう、麻酔医、執刀医、看護師など全員が集まった上で患者の身元や手術部位を復唱するという。ところが韓国の病院では誰でも手術室に入って患者にメスを入れ、看護師は患者のおむつを替えた手で子供に注射を行っている。しかもこれが問題視されたとは聞いたことがない。韓国における院内感染は米国、ドイツ、日本など先進国の1.5-2倍に達している。2015年には病院のずさんな対応が原因で中東呼吸器症候群(MERS)の感染が広がり、医療現場では反省の声が相次いだ。しかし実際は何も改善されていない。

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