セマングム・ジャンボリー大会のずさん運営 世界スカウト連盟は「韓国政府の過度な介入が問題」と指摘

 昨年8月に全羅北道扶安郡のセマングムで開催されたボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「世界スカウトジャンボリー」で混乱が発生したことについて、世界スカウト連盟が「韓国政府の過度な介入が問題を引き起こした」と指摘した。

【写真】100億円使ってこのありさま…国内外から批判を浴びたセマングム会場

 世界スカウト連盟は23日、「第25回世界スカウトジャンボリー報告書」で、「韓国政府が事実上の大会主催者となり、韓国スカウト連盟がつまはじきにされてしまった」とし、「公務員を中心に構成された組織委員会は数回にわたって人員が入れ替わったが、その過程できちんとした引き継ぎがなかった」と述べた。

 韓国政府が後援という役割にとどまらず、ジャンボリーの運営・企画などに積極的に乗り出したため、韓国スカウト連盟が主導してジャンボリーの準備を進めることが難しかったという意味だ。「2023セマングム世界スカウトジャンボリー支援特別法」により組織委は韓国首相を委員長に、企画財政部(省に相当)・教育部・女性家族部長官を副委員長とする政府支援委員会を設けていた。

 同連盟は「このように複数の省庁が主管部署として参加することになり、組織運営が非効率的になった」と分析している。その上で、「役割と責任が不明瞭になっただけでなく、実行構造が脆弱(ぜいじゃく)になり、コミュニケーションの過程では行き違いが生じた。韓国政府が財政的な面で寄与した点は認めるが、過度な関与が多いという構造的な問題を引き起こした」と批判した。

 大会開催時、数回にわたって国内外で指摘されてきた組織委の未熟な運営は、今回の報告書でも俎上(そじょう)に載せられた。ジャンボリーのような大規模イベントでは体系的な管理が求められるが、「安全・セキュリティー・青少年保護・医療支援・食事の要求・衛生・現場移動・天候への対応など、各部分でかなりの欠陥があった」と同連盟は報告書で指摘した。

 また、「会場を往来する道路は狭くて険しく、救急車はもとよりバスや歩行者が行き来するのも難しく、(組織委で)効果的な交通管理ができなかった」とも指摘した。このように通行路の状況は良くなかったが、夜になっても照明一つなかったという。

 さらに、「イベントの大半が韓国語で行われた。緊急事態が発生した時でも世界スカウト連盟の公式言語である英語とフランス語だけでアナウンスした」と批判、「(参加人数が多かった国の言語である)アラビア語とスペイン語でもアナウンスすべきだった」と強調した。

 同連盟は「2017年8月に『2023世界スカウトジャンボリー』開催地に全羅北道のセマングムが確定して以降、開幕までに十分な時間があった」と指摘した。準備期間中に新型コロナウイルス感染症の大流行があり、この影響は無視できないものの、ジャンボリーを成功させる計画を立てるには十分、時間があったという意味だ。同連盟は「韓国側が招致段階で見せた青写真と、昨年のジャンボリー会場で直面した現実の間には明確な違いがあった」と、あらためて韓国政府の安易な運営を批判した。

チェ・ジヒ記者

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  • ▲昨年8月、全羅北道扶安郡の「ジャンボリー景観憩いの場」から見たキャンプ地。写真=news 1
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