東京より英語が通じる奥飛騨の温泉郷

東京より英語が通じる奥飛騨の温泉郷

 日本の富山空港から曲がりくねった山道を車で2時間半走り、ようやくたどり着いた岐阜県高山市にある奥飛騨温泉郷「平湯」。高さ3000メートル級という高い山に囲まれた小さな温泉街だ。

 今年7月末に夏休みを取って同地を訪れた記者は、東京よりも英語がはるかによく通じることに驚いた。記者がターミナルでバスを待っていると、案内員が英語で「何かお手伝いできることはありませんか」と声をかけてきた。小さなレストランにも英語のメニューが置いてある。1980年代に登場した古いアーケードゲーム機が設置されているほど古い旅館でも、70代の従業員が英語で応対してくれた。この従業員に英語を上手に話す秘訣(ひけつ)を尋ねると、「高山市では昔から外国人観光客誘致のため英語教育を実施していて、いくつかの単語でコミュニケーションを取る方法を習った」と答えた。記者が泊まったホテルにはハングル・英語・中国語の繁体字と簡体字・スペイン語・フランス語のパンフレットが置かれていた。観光案内板も英語だけでなくハングルが併記されていた。

 人口9万人の高山市は、外国人観光客誘致で奇跡を起こした山あいの市だ。1995年に2万3000人だった外国人観光客は昨年36万4000人にまで増えた。小さな市だが、新潟県(26万人)、群馬県(16万人)よりもはるかに多くの外国人観光客を集めている。観光客を地域別に見てもヨーロッパ(7万人)、北米(2万人)、オーストラリア・ニュージーランド(1万8000人)とさまざまだ。

 外国人観光客誘致の秘訣は言葉だ。11の言語で市役所のホームページを作成し、10の言語で書かれた「散歩マップ」を配布している。韓国・台湾・中国・米国など「多国籍モニター団」を結成、定期的に道路の案内表記をチェックしてもらい、外国人が不便に思うことがないかどうか調べて修正する。外国語ができるガイドもあちこちにいる。

 旅行サイト「トリップアドバイザー」が日本を訪れた外国人を対象にした「人気レストラン」調査では、大都市のそうそうたる飲食店を抑えて高山市の飲食店2店が1位と5位に選ばれた。味がいいのはもちろん、外国人観光客に親切だからだ。5位になったタイ料理専門店にはイスラム教徒のためのハラール・メニューもあった。

高山=車学峰(チャ・ハクポン)記者
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